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― 強度・費用・対合歯への影響を他素材と比較 ―

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奥歯にジルコニアを入れるメリット・デメリット
― 強度・費用・対合歯への影響を他素材と比較 ―

2026年02月20日

奥歯は、食事のたびに強い力がかかる重要な部位です。そのため、被せ物や詰め物を選ぶ際には「見た目」だけでなく、「強度」や「長持ちしやすさ」も重視されます。
近年、こうした条件を満たす素材として注目されているのがジルコニアです。
この記事では、奥歯にジルコニアを使用する場合のメリット・デメリットを、ほかの代表的な歯科材料と比較しながら、わかりやすく解説します。

ジルコニアとはどのような素材か

ジルコニアは、人工ダイヤモンドにも使われる「酸化ジルコニウム」を主成分としたセラミック素材です。
歯科治療では、主に被せ物(クラウン)やブリッジなどに用いられています。
特徴としてよく挙げられるのは、非常に高い強度と金属を使わない素材である点です。このため、奥歯のように噛む力が強くかかる部位にも選択肢として検討される機会が増えています。

奥歯にジルコニアを入れるメリット

1. 噛む力に耐えやすい高い強度

奥歯は、食べ物をすりつぶす役割があるため、前歯に比べて数倍の力がかかるといわれています。
ジルコニアは、歯科材料の中でも特に割れにくく、欠けにくい素材とされており、強い噛みしめがある方や、歯ぎしりの傾向がある方でも検討されることがあります。
金属を使った被せ物と同程度、あるいはそれ以上の強度を持つとされる点は、奥歯に使用するうえで、利点のひとつと考えられます。

2. 金属を使わないため見た目が自然

奥歯はあまり見えないとはいえ、笑ったときや大きく口を開けたときに、金属色が見えることを気にされる方も少なくありません。
ジルコニアは白色の素材で、天然の歯に近い色調を再現できます。
金属を使わないため、経年による歯ぐきの黒ずみが起こりにくい点も特徴のひとつです。

3. 金属アレルギーの心配が少ない

金属を含まない素材であるため、金属アレルギーのリスクが低いとされています。
アレルギーの既往がある方や、将来的な影響を考慮したい方にとっては、安心材料のひとつとなります。

奥歯にジルコニアを入れるデメリット

1. 保険適用外となるケースが多い

ジルコニアは、自由診療(保険適用外)として扱われることが一般的です。
そのため、費用は比較的高額になりやすく、治療を検討する際の大きなポイントとなります。
治療内容や歯科医院によって費用は異なりますが、ほかの保険診療の素材と比べると、費用面で検討が必要になる場合があります。

2. 対合歯(噛み合う歯)への影響

ジルコニアは非常に硬い素材であるため、噛み合わせの状態によっては、対合歯(噛み合う天然の歯)に負担がかかる可能性があるとされています。
ただし、実際の影響は、

  • 表面の仕上げ状態
  • 噛み合わせの調整
  • 日常的な歯ぎしりの有無

などによって大きく異なります。
そのため、治療時には噛み合わせを丁寧に確認し、必要に応じて調整を行うことが重要とされています。

3. 見た目の透明感は素材によって差がある

ジルコニアは強度に優れる一方で、ガラス系セラミック(e-maxなど)と比べると、透明感がやや控えめなタイプもあります。
特に前歯では見た目を重視して別素材が選ばれることもありますが、奥歯では強度を優先してジルコニアが選択されるケースが多い傾向にあります。

他素材との比較(奥歯の場合)

金銀パラジウム合金(いわゆる銀歯)

メリット

  • 保険適用で費用を抑えやすい
  • 強度があり、奥歯に使用されることが多い

デメリット

  • 金属色が目立つ
  • 金属アレルギーや歯ぐきの変色、変形が起こる可能性

ハイブリッドレジン

メリット

  • 比較的費用が抑えられる
  • 白色で見た目が自然

デメリット

  • 経年劣化や摩耗が起こりやすい
  • 強い噛み合わせには不向きな場合がある

e-max(ガラス系セラミック)

メリット

  • 透明感が高く、自然な見た目
  • 金属を使用しない

デメリット

  • ジルコニアに比べると強度が劣る
  • 奥歯では症例を選ぶことがある

奥歯の素材選びにおける考え方

奥歯の被せ物に「これが絶対に正解」という素材はありません。
噛み合わせの力、歯ぎしりの有無、見た目へのこだわり、費用面など、一人ひとりの条件によって適した選択肢は異なります。
ジルコニアは、強度を重視したい方にとって有力な選択肢のひとつですが、メリットとデメリットの両方を理解したうえで、歯科医師と相談しながら検討することが大切です。

まとめ

  • ジルコニアは奥歯に適した高い強度を持つ素材
  • 金属を使わず、見た目やアレルギー面での利点がある
  • 一方で、費用面や噛み合わせ管理には注意が必要
  • 他素材との比較を通じて、自分に合った選択が重要

奥歯の治療を検討する際は、それぞれの素材の特徴を理解し、納得のいく治療につなげていきましょう。