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ブリッジの土台の歯がむし歯?!こんなとき、どうする? [2024年09月20日]
歯を失ったときに新しい歯を補う治療法は、インプラント・ブリッジ・入れ歯などがありますが、外科手術を伴うインプラントや装着時に金具を使用する入れ歯は抵抗がある方も多く、そういった方はブリッジを選択するのではないでしょうか。
しかし、ブリッジにもデメリットは存在し、その中でも特に心配なのは土台の歯がダメになってしまったときのことかと思います。
今回は、ブリッジの土台の歯がむし歯になる原因や治療法について解説します。
ブリッジとは?
歯を失ったところに人工の歯を補う治療を「欠損補綴(けっそんほてつ)」と言い、ブリッジもそのひとつです。
ブリッジは失った歯の両隣の歯を支えにして人工の歯を補う治療法です。
支えとなる歯を削り、失った歯と削った歯を橋渡しのようにして被せ物をします。失った歯の両隣の歯が支えとなるため、両隣の歯は健康でなければなりません。
ブリッジの土台がむし歯になる原因
ブリッジ治療をしたときには健康だった土台の歯が、治療後むし歯になることがあります。
そうなると、ブリッジの再治療を考えなければなりません。
なぜ土台の歯がむし歯になってしまうのでしょうか。
接着剤の劣化
ブリッジには寿命があり、7~8年程度と言われています。使用期間が長くなればなるほど接着剤の力が弱まります。
天然の歯は、わずかですが自由に動くことができるため、上下の歯の噛み合わせに対し柔軟に対応しますが、ブリッジは歯が固定されているため、うまく順応することができません。そこに噛む力が加わると、それがブリッジを外そうとする力になり接着剤が徐々に弱くなるのです。
接着剤が弱まってくると隙間ができ、そこに細菌が入り込むことでむし歯のリスクが高くなります。
歯みがきがしにくい
ブリッジはいくつかの歯がつながっている被せ物で、接着剤で固定されているため取り外しができません。そのため非常にみがきにくいデメリットがあります。
ブリッジの部分がきれいにみがけていないとブリッジの底の部分にプラーク(細菌の塊)が付着し、むし歯や歯周病の原因となります。
ブリッジの土台の歯がむし歯になったときの治療法
ブリッジを長持ちさせるためにも土台の歯がむし歯にならないのが一番ですが、万が一むし歯になってしまったら治療が必要です。
ブリッジのむし歯の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ブリッジの再治療
ブリッジの土台の歯がむし歯になったときは、ブリッジを外して再治療する方法があります。
この場合、外したブリッジを再度つけるのではなく新たに作り直す必要があり、再度土台の歯を削ることになります。
むし歯がさほど進行していなければ歯を少し削るだけで済みますが、むし歯が進行している場合は神経をとったり、もっと酷い場合は抜歯になったりすることがあります。
インプラントや入れ歯
何かしらの理由でブリッジの再治療ができない場合があります。
その時は他に歯を補う治療法として、インプラントか入れ歯を選択することになります。
<インプラント>
インプラントは顎の骨にインプラントを埋め込み、その上に被せ物を装着する治療法です。
耐久性があり、つけ心地や噛み心地も違和感がなく天然の歯と同じような感覚で使用できるのがメリットです。
しかし、外科的手術が必要、持病などでインプラントを選択できないこともある、ブリッジや入れ歯よりも治療費が高額で経済的に負担になるといったデメリットもあります。
<入れ歯>
入れ歯には総入れ歯と部分入れ歯があり、ブリッジの代わりとなるのは部分入れ歯です。
ブリッジのように歯を大きく削ることはなく、保険適用のものもあるので、身体的や経済的な負担が少ないことがメリットです。
一方で、口の中に違和感があり噛み心地もよくない、使用中にズレたり外れたり痛みが伴う場合があるなどのデメリットがあります。
ブリッジ土台のむし歯治療、その前に知っておきたいこと
ブリッジ土台の歯がむし歯になってしまったら何かしらの方法で治療を受けなければなりませんが、その際に事前に知っておきたいことがいくつかあるので覚えておきましょう。
歯の寿命が短くなる
ブリッジを再治療する際は、再度、土台の歯を削ることになります。
再治療の度に歯を削るので土台の歯はどんどん小さくなり、耐久性が弱まってきます。
最終的に土台の歯が割れてしまうなど、土台として機能しなくなり抜歯の可能性も高まります。
神経をとると長持ちしない
むし歯が進行すると、神経をらなければならない場合があります。
歯の神経は、歯に栄養を届けたり、歯の異常を知らせたりなど、非常に大事な役割があります。
神経をとることで歯に栄養が届かなくなりもろくなったり、異常がおきても気付きにくかったりするので、土台の歯やブリッジが長持ちしなくなります。
ブリッジの再治療ができない場合がある
ブリッジを再治療するには、土台となる歯が必要です。
そのため抜歯などで土台となる一番奥の歯がなくなったり、連続して何本か抜歯したりなどで土台となる歯がない場合は、ブリッジ以外の治療法を選択しなければなりません。
まとめ
いかがでしたか。
今回はブリッジの土台の歯がむし歯になる原因や、治療法について解説しました。
土台となる歯がむし歯になると、ブリッジの再治療か他の治療法でむし歯を治療する必要がありますが、再治療にはデメリットがあり、どんな方法を選んだとしても歯には大きな負担がかかります。
むし歯にならないようにするには、ブリッジのケアが大切です。
ブリッジ周辺のみがき方やフロス・歯間ブラシの使い方などを歯科医院で指導してもらったり、定期健診やクリーニングに通って、ブリッジのケアを続けていきましょう。
ブリッジ治療中の仮歯の役割は?仮歯の必要性などを解説! [2024年08月19日]
何かしらの理由で歯を失った方、特に前歯を失った方は歯を補う治療法としてブリッジ治療を選択する方がいらっしゃいます。
しかし、「ブリッジが入るまでの間は歯は抜けたまま?」「仮歯は入れなくていいから、その分治療費は安くなる?」そのような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はブリッジ治療中の仮歯について解説しますので、ブリッジ治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。
仮歯とは?
まず、仮歯とはどのようなものか簡単にお話しておきます。
仮歯とは、歯の治療中や被せものの製作中などに一時的に装着する人工の歯になります。
一般的には歯科用プラスチックの「レジン」と呼ばれるものでできており、あくまで一時的なもののため、強度はなく長期間使用すると着色や汚れにより変色していきます。
仮歯とはいえ、普段の食事や歯みがきなどで簡単に外れることはまずありません。
しかし、取り外し可能な接着力の弱いセメントを使用しているので、粘着力の強い食べ物を食べたり、強い衝撃が加わったときは外れてしまうことがあるので注意しましょう。
仮歯はなぜ必要?
仮歯は被せものができ上がるまでの歯がない期間中、見た目の問題を解消するだけのものなのでしょうか。
仮歯にはその他にも非常に重要な役割がいくつかあります。
「治療費がかかるなら仮歯はいらない」と思っている方は、以下のポイントを確認して仮歯の必要性を理解しましょう。
歯が動かないように安定させる
歯は空いたスペースがあるとそこを埋めようとする性質があるため、空いたスペースに向けて少しずつ移動します。
被せものができ上がる前に歯が移動してしまうと、でき上がった被せものが合わなくなる可能性があります。そういったことを防ぐために、仮歯を入れて歯や歯肉を固定し、安定させる必要があります。
細菌感染、汚れ、外部の刺激から守る
治療途中は歯がむき出しになっている状態です。
熱い食べ物や冷たい食べ物、歯みがきや噛むときの刺激でダメージを受けてしまうことがあるので、仮歯を入れてそのような刺激から歯を守ります。
また、削った歯をそのままにしておくと表面にプラークが付着し、土台となる歯が汚れることで細菌が増え、新たにむし歯になるリスクが高まります。
仮歯を装着することで、最終的な被せものができ上がるまで、口の中を清潔でよい状態に保つことができます。
噛める状態を維持する
歯の根っこを覆っている薄い膜「歯根膜」は噛む力を感じるセンサーの役目をしています。
しかし、長い間噛まずにいると歯根膜が怠けてしまい、いざ被せものができ上がり装着して噛み始めると、噛む力に過剰に反応して違和感を覚えることがあります。
そのようなことにならないようにするために、仮歯を入れて歯根膜を怠けさせないよう、被せものができ上がったときの本番に備え、噛む感覚をならしておく必要があります。
見た目をきれいにする
特に前歯は相手に与える印象に大きく関わってきます。
相手からの印象だけではなく、自分でも気になってしまい、口元を隠したり、食事や会話を楽しめなくなったりしますね。
仮歯が入っていれば、歯がないことはほとんど気付かれずに生活ができるでしょう。
仮歯の期間の注意点
仮歯の期間中に注意しなければならないポイントがいくつかあるので覚えておきましょう。
食べるものに注意する
仮歯の期間中は、煎餅やするめなどの固いもの、ガムやキャラメルなど粘着性のあるものはできるだけ避けましょう。
仮歯が破損したり外れたりする原因になります。
セルフケアをしっかりとおこなう
仮歯は一時的なものとはいえ、歯みがきなどのセルフケアをしっかりおこなわないと、むし歯や歯周病、口臭の原因となります。
また、仮歯は最終的な被せもののようにピッタリと調整されているわけではないので、仮歯と歯ぐきの間に汚れが溜まりやすくなっています。
そのため、いつも以上に丁寧な歯みがきを心がけましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシは仮歯に引っかかる場合があるので、使用するときは注意が必要です。
仮歯が外れたら?
万が一、仮歯が外れてしまったら、仮歯は捨てずに袋や小さな容器などに入れて保存し、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
仮歯が外れたときに絶対にやってはいけないこと
・瞬間接着剤などで付ける
・そのまま放置しておく
この2つです。
市販の瞬間接着剤などは仮歯で使用する接着剤より強力なため、しっかり接着しすぎて外すときに歯を削らなければならない場合があります。
また、仮歯が外れたところは、1週間放置しておけば歯が動いてしまいます。
歯が動くと作製途中の被せものが合わなくなり再度やり直さなければならない可能性があるので、仮歯が外れたら2、3日中には受診するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。今回は仮歯の役割や注意点について解説しました。
仮歯は見た目をよくするだけではなく様々な役割があり、ブリッジ治療の被せものの製作中は必要なものであることがわかりましたね。
しかし、仮歯はあくまで一時的なものであり、仮歯で何も問題ないからといって治療を途中でやめてしまうのは避けましょう。
最終的な被せものをスムーズに装着し、治療を長引かせないためにも仮歯と上手に付き合っていきたいものですね。
ブリッジ治療にかかる費用は?ブリッジの種類と相場を解説! [2024年07月16日]
歯を失ったときは何かしらの方法で歯を補う必要がありますが、失った本数が少なければ、見た目が自然で手術の必要がないブリッジの治療を選択する方は少なくありません。
非常に人気のある治療法ですが、メリットやデメリットの他に治療費も気になるところです。
歯の治療は高額なイメージがありますが、ブリッジ治療の相場はどのくらいなのでしょうか。
今回は、ブリッジ治療の種類ごとの治療費相場について解説します。
ブリッジの治療費は大きく分けて2種類
ブリッジの治療費は大きく分けて「保険適用」と「自費診療」の2種類になります。
保険適用
保険で治療できるブリッジには条件があります。
・失った歯が1本、または連続した2本の歯であること
・真ん中から一番目とその隣の歯なら4本まで
・土台となる歯に最低でも2年間は問題がないだろうと診断されること
これらの条件を満たせば保険適用でブリッジ治療ができます。
【メリット】
・治療費を抑えることができる
・治療期間が短い
【デメリット】
・健康な歯を削らなければならない
・金属が目立つ
・神経をとる場合がある
自費診療
日本の歯科保険制度では、保険診療と自費診療の両方を合わせて治療することはできません。
例えば、土台となる歯の治療を保険診療でおこなった場合は自費診療のブリッジを装着することができないため、自費診療のブリッジを希望するときは前処置の段階からすべて自費診療でおこなう必要があります。
【メリット】
・見た目が自然できれい
・比較的長持ちする
【デメリット】
・治療費が高額になる
・素材によって欠けたり割れたりする可能性がある
保険適用のブリッジの相場
保険適用のブリッジは大きく分けて2種類あります。
それぞれの特徴と治療費の相場をみてみましょう。
硬質レジン前装冠
歯の裏側や枠組みに金属を使用し、表面にレジン(歯科用プラスチック)を貼りつけたもので、前歯のブリッジに使用されます。
見た目は白く、金属のように目立ちませんが、プラスチックのため経年劣化で変色してきます。
また、金属を使用しているため、金属アレルギーや歯ぐきが黒ずんでくるなどのリスクがあります。
保険診療は全国一律のためどこの歯科医院でも同じ治療費になり、検査費や前処置の費用も含めた治療費の相場は2~3万円ほどです。
銀歯
奥歯の場合、保険適用のブリッジは銀パラジウム、一般的には銀歯と呼ばれるものになります。
奥歯は噛むときに強い力が加わるため、割れやすいプラスチックではなく強度がある金属を使用します。
治療費の相場は1~3万円ほどです。
自費診療のブリッジの相場
自費診療のブリッジは素材によって金額が変わります。
また保険診療と違い各歯科医院で金額の設定ができるため、同じ治療でも金額の差がでてくる場合があります。
金額が気になる方は他の歯科医院にも問い合わせてみましょう。
オールセラミック
オールセラミックはすべてセラミックでできたブリッジです。
自然な白さで透明感もあり、天然の歯に近い見た目と使用感です。
金属を使用していないため、アレルギーや、金属が溶け出すことでおきる歯ぐきの黒ずみなどの心配もありません。
また、汚れが付きにくい特徴があるので、二次むし歯のリスクを抑えることができ、非常にメリットの多い素材ですが、他の人工歯より費用は高くなる傾向にあります。
治療費の相場は8~15万円ほどです。
メタルボンド
金属のフレームにセラミックを焼き付けたブリッジです。
内側に金属を使用しているため、強度があり、補修もしやすいのが特徴ですが、金属アレルギーの方は使用できません。将来的に金属アレルギー発症を心配される方も使用しないほうがよいでしょう。
また、表面はセラミックですが、内側は金属のためオールセラミックよりも透明感は劣るので、前歯に使用する場合は注意しましょう。
治療費の相場は8~10万円ほどです。
フルジルコニア
人工ダイヤモンドと呼ばれるセラミックの一種がジルコニアで、フルジルコニアはジルコニアだけを使用したブリッジです。
一番の特徴は強度があることですが、天然の歯よりも固いため噛み合わせなどで天然の歯がすり減る可能性があるので注意が必要です。
治療費の相場は8~9万円ほどです。
ジルコニアセラミック
ジルコニアをベースにし、表面にセラミックを焼き付けたブリッジです。
ジルコニアだけでは白さが限定されてしまい天然の歯に近づけるには限界がありますが、表面がセラミックのため、透明感も出て天然の歯に近い見た目に仕上げることができます。
治療費の相場は10~13万円ほどです。
まとめ
いかがでしたか。
今回はブリッジの種類と治療費の相場について解説しました。
一口にブリッジといっても様々な種類があり、素材によって治療費にかなりの差がでてきます。
それぞれのメリットとデメリットをよく理解し、何を優先して、どの素材で治療するかドクターとよく相談して決めましょう。
自費診療のものについては、各歯科医院で治療費が違うため、別の歯科医院と比較して決めるのもよいと思います。
一番は治療方法や治療費にきちんと納得して治療をすすめることではないでしょうか。
ブリッジが浮いている?ブリッジの違和感について解説! [2024年06月17日]
歯を失ったときの治療法としてブリッジがあります。
ブリッジは、インプラントのように外科的手術の必要もなく、見た目や噛み心地も自然なため、失った本数が少なければ歯を補う治療法として選択する方も多いのではないでしょうか。
ブリッジで治療した方から「なんか歯が浮いているような感じがする」「浮いているような違和感がある」といったことをお聞きするときがあります。
ブリッジが浮いているとはいったいどういうことなのでしょうか。
今回はブリッジが浮いている気がする原因についてお話します。
ブリッジ治療をしたことがある方、治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
ブリッジとはどんな治療法?
まず、ブリッジとはどのような治療法なのかおさらいしましょう。
ブリッジは歯を失ったときに歯を補う治療法で、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、橋をかけるように連結した人工の歯を被せます。
・見た目が自然
・噛んだときの違和感が少ない
・外科的手術の必要がない
・治療は比較的短期間で済む
などのメリットがあり、仕事や家庭の事情で長期間歯科医院に通うのが難しい方や手術が怖い方、入れ歯に抵抗がある方などにおすすめの治療法です。
また、素材によっては保険が適用になるものもあるので、治療費をできるだけ抑えたい方にもおすすめです。
人工の歯の部分を「ポンティック」といい、以下のようにいくつかの種類があります。
船底型:舌触りや見た目はよいが、歯ブラシが届きにくいため歯ぐきとの間に汚れが溜まりやすい
離底型:歯ぐきとポンティックが離れているため食べかすが挟まりやすいが、掃除はしやすい
リッジラップ型:よく使われている形で、元の歯の形に近く、掃除もしやすい
オベイトポンティック:元の自分の歯に近く、見た目も舌触りもよい
ブリッジが浮いている気がする原因
ブリッジが浮いている気がする原因として、主に以下のようなことが考えられます。
時間の経過や劣化によるもの
ブリッジの治療後、時間の経過とともに痛みや違和感がでてくることがあります。
これは、噛み合わせの変化や、歯ぎしり・食いしばりなどで土台となる歯に負担がかかることが原因で、そのまま放置しておくと歯周病になるケースが多く、いずれはグラグラと揺れてくる可能性があります。
また、使用している接着剤の劣化などもブリッジが浮いてきたように感じる原因となりますが、劣化の状態は自分では判断できないため、定期的に歯科医院で検診を受けることをおすすめします。
歯周病によるもの
ブリッジの部分が歯周病になっている場合は、疼くような違和感や歯が浮いているように感じることがあります。
ブリッジは歯が何本か連結しているため、一本だけグラついても気付かないことが多いです。
しかし、この状態を放置しているとブリッジで連結した歯に大きな負担がかかり、他の歯までグラついてしまいます。
また、歯周病が進行すると骨や歯ぐきの炎症が悪化してブリッジの土台となる歯を支えきれなくなるため、グラついたり、浮いているように感じたりすることがあります。
噛み合わせが高い
歯が浮いているように感じるのは「歯根膜」という組織がダメージを受けいている可能性があります。
歯根膜は歯と顎の骨の間にある膜で噛んだときの力を分散させてくれるクッションのような役割があり、リンパ液や血液も流れています。噛み合わせが高く過度な負担が歯根膜にかかると、ダメージを受けて歯根膜が分厚くなります。それにより歯が浮いているように感じることがあります。
ポンティックの種類によるもの
先ほどお伝えしたように、ブリッジの人工歯の部分(ポンティック)には様々な種類があります。
その中でも「離底型」は歯ぐきとポンティックの間に隙間があるため、ブリッジが浮いているように感じることで違和感があったり、外れてしまわないか心配になったりする方もいます。
また、隙間があることで食べかすが挟まりやすく、不衛生に思われる方もおりますが、掃除がしやすくうがいなどでも除去できるため、食べかすがずっと挟まったままになることがなく衛生面では問題ありません。
ブリッジが浮いている気がする、違和感があるときは?
浮いている感じがする、違和感があるなど、ブリッジに何かしら異変を感じたらできるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。
改善するには、まず違和感の原因をはっきりさせる必要がありますが、自分で原因を特定するのは難しいので、歯科医院を受診して原因を調べてもらいましょう。
治療が必要であれば、治療法の相談や、治療するほどではない場合はセルフケアの方法など、ご自分のブリッジの状態に合わせた対処法をアドバイスしてもらい実践することで改善に向かいます。
やってはいけないことは、放置することと、浮いている部分に自分で接着剤などをつけることです。
特に、浮いているところやグラついているところに接着剤をつけて応急処置をするのは絶対にやめましょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回はブリッジが浮いている感じがするときの原因について解説しました。
原因はいくつかあるものの、いずれも放置せず、早めの受診が大切です。
また、仮止めの時点で違和感がある場合もそのままにせず、すぐドクターに相談しましょう。違和感は放置しておくといずれ重症化したり、歯が抜けてしまったりする原因になります。
ブリッジは失った歯を補うための治療です。
ブリッジが原因でこれ以上歯を失うことのないよう、定期的な検診やメンテナンスを受け、長く快適にブリッジとお付き合いしていきましょう。
ブリッジとインプラント、迷ったらどちらを選ぶ? [2024年05月17日]
何かしらの理由で失った歯を補う方法として、ブリッジ、インプラント、部分入れ歯などがありますが、どの治療法にしたらよいのか悩むという方は多いと思います。
ドクターから提示された治療法で治療を進める場合でも、治療ごとの特徴や違いを理解しておくと、よりご自分にあった治療を選択しやすいのではないでしょうか。
今回は、歯を補う治療法として代表的なブリッジとインプラントの違いを解説します。
ブリッジとインプラントの比較
ブリッジとインプラントはどのような違いがあるのか、それぞれの項目ごとに比較します。
噛む力
インプラント
インプラントは顎の骨に人工の根っこを埋めるので安定性が高く、硬いものでもしっかり噛めます。
天然の歯に比べ、噛む回復率は90%ほどと言われているため、自分の歯のように噛めている方が多いです。
また、周囲の他の歯に負担をかけることなく、インプラント単独でしっかり噛むことができます。
ブリッジ
ブリッジは両隣の歯を土台として欠損部位を補うため、噛むときに土台の歯に負担がかかります。ブリッジでの治療後は、強い力で噛むのはできるだけ避けたほうがよいでしょう。
噛む回復率は60%ほどと言われています。
見た目
インプラント
インプラントの被せ物は、セラミックなど見た目が天然の歯に非常に近いものを使用するので、違和感がなく自然な見た目になります。
ブリッジ
使用する素材により見た目に違いがでてきます。
保険適用では銀歯かプラスチックの白い歯になるので、見た目に違和感がでる場合があります。
より自然な見た目にしたい場合は、セラミックなどの自費診療のものを選びましょう。
治療期間
インプラント
インプラントの手術後は骨にインプラントが定着する期間を設けなければなりません。この保定期間は、定着の程度により個人差はありますが、平均で半年ほどかかります。インプラントでは保定期間を含めるため、ブリッジよりも治療期間が長くなります。
ブリッジ
周囲の歯の状態にもよりますが、多くの症例は2週間ほどで治療が終わります。
寿命
インプラント
10年後も問題なく使用できているかを確認する残存率は、平均で90%を超えていると言われており、丁寧なセルフケアや定期的なメンテナンスを受けることで10年以上機能することが期待できます。
ブリッジ
ブリッジの10年残存率は70%前後と言われていますが、もっと短い期間でダメになる方もいますし、10年以上問題なく使用できている方もいます。
これは支えになっている歯がどのくらい持つかでブリッジの寿命が違ってくるからです。
インプラントがおすすめな人
では、インプラントはどのような方におすすめなのでしょうか。
健康な歯を削るのに抵抗がある
インプラントはブリッジのように他の歯を土台にしているのではなく、人工の根っこを土台にしますので、他の健康な歯を削る必要がありません。
他の歯に負担をかけたくない
ものを噛むときに奥歯にはおよそ60キロの力が加わると言われています。そのため、歯を一本失っただけで60キロの負担が他の歯にかかるのです。
インプラントであれば、人工の根っこと顎の骨で噛んだときの力を受け止めることができるので、他の歯に負担がかからずに済みます。
しっかり噛んで食事をしたい
インプラントは顎の骨に人工の根っこを埋め込むため安定性が高く、天然の歯に近い噛み心地でしっかりと噛め、安心して食事を楽しめます。
見た目が気になる
インプラントは顎の骨に人工の根っこを埋め、その上に被せ物をするので歯肉から歯が生えているような自然な見た目になります。
また、被せ物はセラミックを使用することが多く、天然の歯のような白さや透明感に近づけることが可能です。
ブリッジがおすすめな人
次にブリッジがおすすめな人も見てみましょう。
外科的手術をしたくない
ブリッジはインプラントのように骨を削ったり、歯ぐきを切ったりなどの外科的手術は必要ありません。
通常の被せ物の治療と同じような手順で治療できるため、外科的手術が怖い方や不安が大きい方はブリッジのほうが精神的な負担が少なくて済みます。
長期間の治療が難しい
インプラントは、埋めた人工の根っこがしっかりと定着するまで期間をおかなければならないので、治療が完了するまで半年、場合によっては1年ほどかかります。
ブリッジは2~3週間ほどで治療が終わるため、治療に時間をかけたくない方、前歯など早めに見た目を改善したい方はブリッジがおすすめです。
治療費を抑えたい
ブリッジは保険適用の被せ物を選べば治療費を抑えることができます。
保険適用のものは自費診療のものに比べると見た目が劣りますが、保険適用でも銀歯ではなく白い歯で治療できるものもありますので、歯科医院にご相談ください。
まとめ
いかがでしたか。
今回はブリッジとインプラントで迷ったときに確認したい点を比較しました。
それぞれメリットとデメリットがあるため、どちらがよいとは一概には言えませんね。
ご自分の歯の状態や、見た目、治療費、治療期間など、何を優先するかをドクターとしっかり相談して、後悔のない治癒法を選ぶことが大切です。
ブリッジで治療したところが痛むのはなぜ?原因と対処法を解説! [2024年04月15日]
歯を失ったところに新しい歯を補う治療法として選ばれることの多いブリッジですが、治療後に違和感や痛みを感じる方もいらっしゃいます。
せっかく治療してブリッジをいれても、痛みのためによく噛めないなどの問題がでてくると、何のために治療したのかわからなくなってしまいますね。
今回はブリッジで治療したところの痛みについて、その原因と対処法を解説します。
ブリッジ治療をお考えの方、ブリッジの治療後に痛みでお悩みの方はぜひ参考にしてください。
ブリッジとは?
まず、ブリッジとはどのような治療法なのか簡単におさらいしましょう。
ブリッジとは何かしらの理由で歯を失ったときに失った歯を補う治療法で、失った歯の両隣の歯を削って土台とし、連結させた被せ物を土台に橋のようにかけ、欠損した真ん中の歯を支えます。
取り外しができずしっかりと固定されているため、自分の歯と同じような感覚で噛むことができ、見た目や噛み心地も自然な仕上がりです。
インプラントのように外科的手術の必要がないため、糖尿病や高血圧などの持病をお持ちの方や、インプラントの手術がどうしても怖いという方でも安心して治療を受けられます。
ブリッで治療したところが痛む原因
ブリッジ治療をしたあとに痛みがあったり、その痛みが強いとしっかりと噛むことができなくなる場合があります。
いつ頃から痛み始めたのか、どの箇所が痛むのかによって痛みの原因が違います。
痛み始めたのは治療してすぐなのか、数年たってからなのか、支えとなっている歯が痛むのか、歯ぐきが痛むのかはっきりさせ、原因を探っていきます。
治療してすぐの痛み
治療後すぐの痛みは、土台となっている両隣の歯に神経があることで、刺激に敏感になっている可能性があります。
ブリッジ治療は土台となる歯を削る必要があり、削ることで神経が刺激を受けやすく、痛みを感じます。
削った直後からしみたり痛みがでたりといった症状がでてきますが、治療直後に痛みがでるのは珍しいことではありませんので、1ヶ月くらい様子をみて痛みが続くようであれば歯科医院を受診しましょう。
治療後、数年たってからの痛み
ブリッジには寿命があるため、長年の使用で劣化がすすむと、変形などから痛みやぐらつきの原因となります。
ブリッジの素材も寿命に関係しており、自費診療のセラミックよりも保険適用のプラスチックや金属のほうが劣化が早く寿命は短いです。
また、ブリッジは土台となる両隣の歯に失った歯の分も負担がかかり、長い間その負担を抱えているため土台となる歯が弱ってしまい、負担に耐えられず痛みを感じることがあります。
ブリッジの土台の歯が痛む
ブリッジの土台となっている歯がむし歯や歯周病になると、痛みがでる場合があります。
表面からはきれいに見えても、ブリッジの裏側は汚れが溜まりやすく、普段の歯みがきなどのお手入れがきちんとできていないとむし歯や歯周病のリスクが高まるため、注意が必要です。
また、土台となっている歯に神経がない場合、負担がかかったために割れたりヒビが入って痛みが出ていることもあります。
ブリッジの下の歯ぐきの痛み
ブリッジの下の歯ぐきが痛む場合は、歯周病の可能性が高いでしょう。
ブリッジの裏側は汚れが溜まりやすく、特に根本から歯ぐきにかけての汚れは歯周病の原因となります。
歯周病が進行すると歯ぐきが腫れたり膿がでたり、出血などの症状がでて痛みが続いたり、ブリッジと歯ぐきが触れると強い痛みを感じるといった症状が出てきます。
ブリッジで治療したところが痛むときの対処法
では、ブリッジで治療したところが痛むときはどうしたらいいのでしょうか。
痛みがあるときの対処法をいくつか紹介します。
早めに歯科医院を受診する
痛みを解決するには、まずは痛みの原因を探ることが大切です。痛む原因は様々なので、自己判断で放置していると悪化してしまい重症化する場合があります。
痛みが続くときは早めに歯科医院を受診しましょう。
一時的に痛みをやわらげる
痛みが気になるけど仕事や家庭の都合ですぐ受診ができない、歯科医院の予約がとれないといった場合は、一時的な応急処置として鎮痛剤の服用や患部を冷やすなどの方法があります。
しかし、どちらもあくまで一時的な応急処置になるので根本的な痛みの解決にはなりません。
一時的に痛みがおさまったからといって放置せず、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。
別の治療法を検討する
ブリッジが合わない方や、土台となる歯が抜けてしまったときはブリッジ以外の治療法を考えてみましょう。
失った歯を補う治療法はブリッジだけではありません。
絶対にブリッジでなければならないということはありませんので、ドクターと相談のうえ、別の治療法を検討してみましょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回はブリッジで治療したところの痛みの原因と対処法について解説しました。
痛みの原因は様々あり、自分でその原因を判断することはできません。
痛みを放置すると、ブリッジの再治療や、場合によっては別の治療法で根本から再度治療が必要になるなど、精神的にも経済的にも負担がかかります。
ブリッジ周辺に痛みがある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
ブリッジと入れ歯はどう違うの? [2024年03月15日]
歯を失ったときに歯を補う方法として、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどがあります。
インプラントは外科的手術が必要なことと、治療費が高額なためインプラント以外の治療法を選択する方も少なくありません。
そのような状況になったとき、ブリッジと入れ歯の違いをよく知らないとどちらを選択したらよいのかわかりませんね。
今回はブリッジと入れ歯の違いについて解説します。
失った歯の治療を検討している方、治療の選択に迷っている方はぜひ参考にしてください。
歯を失ったままにしておくと?
歯を失った箇所によっては、「目立たないし、このままでいいかな」と思うかもしれませんが、歯がないというのは見た目だけの問題ではありません。
では、歯を失ったままにしておくとどんな影響があるのか、詳しく解説します。
歯の働きへの影響
・歯が移動して噛み合わせが悪くなるため、食べ物がよく噛めない
・むし歯や歯周病のリスクが高くなる
・顎関節症を引き起こす可能性がある
見た目の影響
・噛む力の低下により顔の筋力が衰え、老け顔に見られることがある
・歯並びが悪くなることで見た目の印象に影響する
・歯ぐきの位置が下がってくる
体への影響
・胃腸などの消化器官に負担がかかる
・発音に影響がでてくる
・脳への刺激が減ることで認知症のリスクが高まる
このように、歯は1本1本に役割があるため、歯が1本ないだけで様々なリスクを引き起こします。
ブリッジと入れ歯の特徴
ではブリッジと入れ歯の特徴について解説していきましょう。
ブリッジの特徴
ブリッジは失った歯の両隣の歯を削り支えにし、そこに連結した人工の歯を橋をかけるように被せる治療法です。
固定式のため天然の歯に近い使用感で違和感がなく、しっかりと噛むことができ、外科的手術の必要もないため、インプラントに抵抗がある方にもおすすめです。
条件によっては保険が適用になる素材もあるため、費用については歯科医院にしっかり確認しましょう。
メリット
・違和感がない
しっかりと接着する固定式のため、違和感がなく天然の歯と同じような使用感です。
・外科的手術の必要がない
インプラントのように外科的手術の必要がないため、手術によるリスクがなく、疾患や身体的な理由でインプラント手術ができない方でも治療できます。
・見た目がきれい
入れ歯のように金属のバネを使用しないので、見た目の違和感がありません。自費診療の素材であれば天然の歯と見分けがつかないくらい自然ですので、前歯の治療などに適しています。
デメリット
・歯を削らなければならない
失った歯の両隣の歯を土台にするため健康な歯を削る必要があります。また、削った両隣の歯を支えとするため、失った歯の分の負担がかかります。
・適応する症例が限られている
両隣の歯を支えとするため、失った歯の本数が多い場合や失った箇所によってはブリッジでの治療はできません。
・しっかりとケアする必要がある
ブリッジは連結した歯のため、歯ぐきとの間に歯ブラシが届きにくく不衛生になりがちです。支えとなっている歯がむし歯になると、ブリッジを取り外しての治療が必要となる可能性があるので、歯間ブラシなどを使用した毎日のセルフケアと、定期的に歯科医院でメンテナンスやクリーニングを受けることが大切です。
入れ歯の特徴
入れ歯には「総入れ歯」と「部分入れ歯」があります。
総入れ歯は上下どちらか、または両方の歯を全て失った場合の治療法で、歯ぐきのかわりになる土台の部分と人工の歯でできており、土台になる部分が吸盤のように歯ぐきにピッタリと密着することで固定されます。
部分入れ歯は、人工の歯ぐきにプラスチックの歯を付け、隣の歯にバネで固定します。
入れ歯は取り外しができるのでお手入れは簡単ですが、取り外しができるということは、ズレたり外れたりすることもあり、噛む力が弱かったり、装着時に違和感あるなどがデメリットといえるでしょう。
メリット
・歯を削ることなく治療できる
ブリッジのように健康な歯を削る必要がありません。入れ歯の種類によっては一部歯を削る場合もありますが、削る量は少なくて済みます。
・口の中がどのような状態でも作製できる
ブリッジは支えとなる歯が必要ですが、入れ歯は支えになる歯がなくても大丈夫です。また、インプラントのように顎の骨の量が十分でなく、少ない状態でも作製できます。
・メンテナンスがしやすい
入れ歯は取り外しができるため、口から外してきれいに洗浄することができます。外した入れ歯は歯ブラシでみがくだけではなく、市販の専用の洗浄剤などもありますので、より清潔にお手入れできます。
デメリット
・種類によって治療費が高額になる
「噛みやすいものがよい」「違和感のないものにしたい」「入れ歯だとわからなくしたい」など、より自然な入れ歯を希望する場合、素材や入れ歯の種類などにより治療費が高額になることがありますので注意しましょう。
・違和感や痛みがでる場合がある
入れ歯を入れ始めたとき、歯ぐきと入れ歯の間に食べかすが挟まったときなど痛みを感じる場合があります。慣れると痛みはなくなってきますが、痛みが続くときや口を動かすと外れやすいときは噛み合わせや土台部分が合っていない可能性がありますので、早めに歯科医院を受診しましょう。
・部分入れ歯はバネが見えてしまう
部分入れ歯の場合はバネの金具が見えてしまい、周りの人に入れ歯をしているとわかってしまうことがあります。また、バネをかける歯に負担がかかったり、バネに食べかすが詰まりやすくなったりするデメリットもあります。
まとめ
いかがでしたか。今回はブリッジと入れ歯の違いについてや、歯を失ったところを放置しておくリスクについて解説しました。
歯を失った箇所や本数、治療費の予算などを考慮して、ご自分に合った治療法を選択しましょう。
ブリッジの治療費はどのくらいかかる?保険は使える? [2024年02月16日]
歯を失ったときの治療法として、主にブリッジ、インプラント、入れ歯があります。
それぞれに特徴があり、歯を失った箇所や本数、治療費の予算などにより治療法を選択していくことになります。
歯の治療で特に気になることのひとつに「治療費」があげられると思います。
「歯の治療は保険がきかないから高い」そのようなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
今回はブリッジ治療の相場や、保険は適用されるのかなど、ブリッジの治療費について紹介しますので、ブリッジや他の治療の選択にお役立てください。
歯を失ったときの治療法
歯を失ったときの治療法は主に3つです。それぞれの特徴について解説します。
ブリッジ
ブリッジは失った歯の両隣りの歯を土台にし、橋をかけるようにして連結した人工歯を装着する治療法です。
失った歯の本数が1~2本程度と少ないときに使われます。
土台となる歯を削らなければならないのがデメリットですが、人工歯は様々な素材から選ぶことができ、素材によってはブリッジと気付かれることはないくらい見た目も自然です。
インプラント
インプラントは歯を失った箇所に人工の根っこを埋め込み、そこに人工歯を装着します。
歯を削る必要はありませんが、根っこを歯ぐきに埋め込むため、外科的手術が必要になります。
見た目も使い心地も天然の歯と変わりないくらい自然で、他の治療法に比べ長持ちする点がメリットでしょう。
入れ歯
入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯があります。
失った歯の本数が少ないときは部分入れ歯、歯が1本もないときは総入れ歯になります。
取り外しができるため、クリーニングやメンテナンスがしやすいですが、意図しないところで外れてしまったり、隙間に食べかすなどが詰まると痛みがでる場合があります。
ブリッジの治療費について
まずは、ブリッジの治療費について解説していきます。ブリッジの治療費は保険診療と自費診療で違いがあります。
保険適用
奥歯の場合、金属を使用した保険適用のブリッジを使用することが多いでしょう。金属に白い素材で被せ物をしないものだと、治療費は税込みで1万円程度です。
金属のため強度があり壊れにくいといったメリットがありますが、大きく口を開けたときに目立ってしまったり、金属アレルギーを発症したりといったリスクがあります。
また、前歯の治療では審美性も重要です。保険適用のものであれば、表面は白い素材を貼り付け、裏側が金属のものを使用します。治療費は約2万円になります。安価で白い歯にできるメリットはありますが、劣化しやすく、白い部分が欠けたり割れたりしやすいデメリットがあります。
前述の治療費はあくまでブリッジ本体だけの金額になりますので、その他に初診料や再診料、検査料、型取り費用、調整料などは別途かかるので注意しましょう。
また、ブリッジ治療の前にむし歯や歯周病があればそちらの治療が先になる場合もありますので、その場合はもちろんその治療費もかかります。
自費診療
自費診療のブリッジは、使用する素材によって治療費が変わります。
前歯なら見た目がきれいなセラミック、奥歯なら強度のあるジルコニアなど、歯を失った箇所や何を重視するかで素材を選択します。
セラミックは3本分で約25~40万円前後、ジルコニアは3本分で30~50万円前後が相場です。
保険適用のブリッジに比べると、見た目が自然できれいですし長持ちしますが、自費診療は歯科医院によって治療費にバラつきがあるので注意しましょう。
インプラントや差し歯の治療費について
歯を失ったときの治療法として、ブリッジの他にインプラントと入れ歯があります。それぞれメリットデメリットがありますが、治療費についてはどうでしょうか。
インプラント
インプラントは見た目や使用感で優れており、長持ちするなどメリットも多く、天然の歯と同じように使用できますが、全て自費診療になります。
そのため、治療費は他の2つの方法に比べ高額になり、1本30~50万円が相場です。
また、自費診療のため歯科医院ごとに治療費が設定されており、設備やインプラントの素材などによって治療費に差があります。
外科的手術をするため持病により治療を受けられない場合もあること、噛めるようになるまでは早くても3ヶ月ほどかかるのがデメリットと言えるでしょう。
基本的には自費診療ですが、稀に保険が適用されるケースがありますので、詳しくは歯科医院に確認しましょう。
入れ歯
入れ歯は保険適用のものと自費診療のものがあります。
保険適用のものは、部分入れ歯で5,000~14,000円前後、総入れ歯で1~2万円前後が相場です。
自費診療のものは、部分入れ歯で1本15~50万円、総入れ歯で20~200万円とかなり高額な相場になります。
自費診療の場合、素材や歯科医院での料金設定により治療費に幅がでてきますので、費用についてもよく調べてから治療を受けると安心です。
まとめ
いかがでしたか。今回はブリッジの治療費について紹介しました。
使用する素材や保険適用か自費診療かで治療費が大きく変わってきます。治療費だけでなく、それぞの治療にはメリットとデメリットがありますので、治療法を決める際はドクターとしっかり相談しましょう。
ブリッジを入れた後もメンテナンスは必要ですか? [2024年01月15日]
歯を失ったときの治療法として、ブリッジがあります。インプラントのように外科的手術の必要がない、部分入れ歯のように手入れが大変ではないなど、メリットも多く、失った歯の本数が少なければブリッジを治療法として選ぶ方も多いものです。
しかし、ブリッジを入れたからといって普段通りの歯みがきだけで良いのでしょうか。
「毎日歯みがきしているから大丈夫!」「人工の歯だから特に手入れは必要ないよね?」そのように思われている方も少なくないと思います。
本当にそうでしょうか。
普段通りに歯みがきをしていれば特にメンテナンスの必要はないのか、今回はそのような疑問について解説していきます。
なぜブリッジのメンテナンスが必要なの?
ブリッジには寿命があります。
その寿命を少しでも長持ちさせるためにはメンテナンスやケアが非常に大切です。
なぜなら、治療後のメンテナンスやケアを怠ると、平均的な寿命よりも短い期間で寿命を迎えてしまう場合があるからです。
また、考慮すべきはブリッジそのものの寿命だけではありません。
ブリッジは失った歯の両隣の歯が土台となり支えているため、支えとなる歯に大きな負担がかかります。
ブリッジは構造上、歯ぐきから浮いた部分がでてくるため、そこに食べかすや歯垢がたまりやすくなります。歯垢はむし歯や歯周病の原因となる細菌の塊ですので、歯垢がたまるとむし歯や歯周病のリスクが高くなります。
支えとなる歯がむし歯になったり折れたりしないように、支えとなる歯もしっかりとケアしていくことが大切です。そのため、何本かの歯が繋がっているブリッジはみがき方や歯ブラシなどのグッズにも工夫が必要です。
ブリッジのメンテナンス方法
ブリッジはメンテナンスが非常に大切だとお伝えしましたが、では、どのようなメンテナンス方法があるのでしょうか。
専用グッズでのケア
・歯ブラシ
歯ブラシは専用のものや特別なものではなく、普段お使いの歯ブラシで十分です。
歯ブラシでの歯みがきで気を付けたいことは、「みがき方」です。
歯と歯ぐきの間に45度の角度であて、力を入れず小刻みに動かしてみがきます。
内側と外側の両方をしっかりとみがき、歯と歯ぐきの間、歯と歯の間を意識してみがくようにしましょう。
・歯間ブラシ
歯と歯の間の汚れには歯間ブラシが効果的です。
ブリッジのケアにはブリッジと歯の隙間に合うサイズを選びましょう。隙間に入れたときに手に少々抵抗を感じるくらいのサイズが好ましいです。
サイズが合っていないと汚れをきれいにできないだけではなく、歯ぐきを傷付ける原因になるため、選び方がわからない場合は、歯科医院で相談しましょう。
・デンタルフロス
一般的なデンタルフロスではなく、ブリッジ用の「スーパーフロス」の使用をおすすめします。
一般的なデンタルフロスより、先端が固く加工されており、隙間に通しやすくなっています。
中央はスポンジ状になっているため汚れがしっかり取り除け、歯ぐきにフロスが当たってもほとんど痛みはありません。
ナイトガード
歯ぎしりや食いしばりが強い方は、歯に大きな負担がかかりブリッジの破損の原因になります。
歯ぎしりは寝ている間のことなので、自分でコントロールすることは非常に難しく、ブリッジの破損原因になるだけではなく、他の健康な歯も割れてしまう場合があります。
歯ぎしりなどのくせがある方は、歯に装着するマウスピース型の「ナイトガード」を使用がおすすめです。歯ぎしりは自分では中々気付くことができませんので、以下に当てはまるような方は一度歯科医院に相談してみましょう。
朝起きたときにあごが疲れている感じがする
家族に指摘されたことがある
気付くと歯を食いしばっているときがある
歯科医院でのメンテナンス
自宅でのケアは非常に大切ですが、自分でできるケアには限界があるため、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。
歯科医院では、自宅のケアでは落としきれない汚れを専用の薬剤や器具でクリーニングします。同時に、ブリッジに異常や破損がないか状態を確認、むし歯や歯周病をチェックします。
また、普段の歯みがきがきれいにできているか、みがき残しはないかチェックし、歯みがきのくせがある場合はみがき方も指導してくれます。
歯科医院でのメンテナンスは、ブリッジを長く保つためだけではなく、それに伴うむし歯や歯周病の早期発見に役立ちます。口の中の健康を長く保っていくためにも、歯科医院での定期的なメンテナンスをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、ブリッジのメンテナンスについてお話してきました。
ブリッジは治療後もメンテナンスが大切なことがわかっていただけたと思います。
セルフメンテナンスと、歯科医院によるプロフェッショナルなメンテナンスを併用しておこなうことが非常に重要です。
ブリッジをできるだけ長く保つため、また、他の歯の健康も同時に保っていくためにも、歯科医院でのメンテナンスも忘れないよう心がけていきましょう。
歯を失ったときの治療法、ブリッジとインプラントを徹底比較! [2023年12月15日]
歯を失ったとき、そのままにしておくのは様々なリスクがあります。
そのため何かしらの治療で、歯を補なわなければなりません。
「インプラントってよく聞くけど、どんな感じなの?」「どちらも歯をつけるみたいだけど、どう違うの?」
疑問や不安があって、どの治療を選んだらよいか決めきれない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は歯を補う治療法として、ブリッジとインプラントを比較します。
治療法で迷っている方はもちろん、そうでない方も知っておいて損はありません。
ぜひ参考にしてください。
ブリッジとインプラント、施術方法の比較
まずは一番の違い、施術方法を比較してみましょう。
ブリッジ
ブリッジは失った歯の両隣の歯を削って土台とし、セラミックや金属の連結した歯を被せて補う治療法で、土台となる歯に橋をかけるようにすることからブリッジと呼ばれます。
失った歯が1本から2、3本まで対応できますが、それ以上の本数になるとブリッジでの対応は難しくなります。
治療費に関しては、自費診療のものと保険適用になるものがあります。
素材によって見た目や金額が変わってきますので、治療費を抑えたい場合は、目立たない箇所であれば保険適用になる素材で治療する方法も検討してみましょう。
インプラント
インプラントは歯を失った部分の歯肉を切開し、あごの骨に穴をあけます。
そこにチタンやチタン合金の人工の根っこを埋め、その上にセラミックなどの人工の歯をセットする治療法です。
歯肉の切開や、あごの骨に穴をあけるため、局所麻酔による外科手術になります。
また、人工の根っこを埋めるだけの骨の量がない場合は、骨の量を増やす外科手術が必要になることもあります。
このように外科手術を行いますが、他の健康な歯を削る必要はありません。
1本から全ての歯に対応可能ですが、高血圧など全身疾患がある場合は施術できないことがあります。
治療費に関しては、例外として保険が適用になる場合がありますが、基本的には自費診療のため治療は高額になるといえます。
素材や治療箇所によって金額に違いがありますので、よく相談して選びましょう。
ブリッジとインプラント、機能面の比較
次に機能面の比較をしてみましょう。
ブリッジ
ブリッジの噛む力は、天然の歯のおおよそ6割程度と言われています。
しかし、これは土台となる歯の状態によって違いがでてきます。
土台となる歯の状態が悪ければ、噛む力も弱くなります。
前歯のブリッジなどは、硬いものを噛みきると土台の歯の負担が大きくなるので、注意が必要です。
ブリッジは固定式のため、歯がズレたりすることもなく、噛み心地としては天然の歯とほとんど変わらず違和感もないため、発音にもほぼ影響はありません。
インプラント
インプラントは、天然の歯とほとんど変わりなく噛むことができます。
また、インプラントは噛む力が十分にあるため、骨の吸収をおさえることができます。
通常であれば歯を失った部分は、骨が吸収されて痩せていきます。
しかし、インプラントを入れることで噛んだ衝撃が刺激になり、歯が痩せるのを防いでくれます。
違和感もほとんどなく、天然の歯と同じように使用できるため発音などにも影響がありません。
ブリッジとインプラント、治療期間の比較
忙しくてなかなか通院できない場合など、できるだけ治療期間は短くしたいと思いますが、治療期間はどうでしょうか。
ブリッジ
ブリッジは外科手術の必要がないため、治療期間は比較的短くて済みます。
歯の型をとって連結した人工の歯を作製するため多少の期間はかかりますが、おおよそ3~4週間ほど、通院回数は2回ほどで治療が終わります。
こちらも歯の状態によって治療期間が変わってくるため、歯の状態が悪い方は治療期間が少しのびる場合があります。
インプラント
インプラントの治療期間は個人差があるものの、おおよそ6ヶ月ほどになります。
現在主流の二次手術法だと、歯の根を埋める手術のあと、根をしっかりと定着させるため、数か月期間をおいてから人工の歯を取り付ける手術をします。そのため治療期間が長くかかってしまうのです。
虫歯や歯周病があれば、そちらを治療してからインプラントの治療となりますので、歯の状態が悪い方はその分治療期間が長くなります。
噛めるようになるまでの治療期間はかかりますが、通院回数自体は一次手術、二次手術、型取りをしてからの装着とそこまでありません。
ブリッジとインプラントのメリット・デメリット
メリット・デメリットについても簡単に比較しておきましょう。
メリット | デメリット | |
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ブリッジ |
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インプラント |
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まとめ
いかがでしたか。
今回はブリッジとインプラントを比較してきました。
治療法や治療期間、メリット・デメリットもそれぞれ全く違うので、何を重視して治療したいのかしっかりと考えて治療法を選択しましょう。
歯の状態や口内環境によって希望通りの治療法で治療できない場合もあります。
歯の治療は高額になる場合もありますし、やり直しが簡単にできるわけではないので、ドクターとよく相談して後悔しない治療法を選びたいですね。