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ジルコニアクラウンとは?寿命・費用・メリットデメリットを徹底解説
2025年10月20日
歯科治療で使われる被せ物(クラウン)には、銀歯やメタルボンド、セラミックなどさまざまな種類があります。その中でも近年注目を集めているのが 「ジルコニアクラウン」 です。
ジルコニアはセラミックの一種で、人工ダイヤモンドと呼ばれるほどの強度を持ち、自然な白さを再現できる素材です。金属を使用しないため、見た目の美しさやアレルギーのリスクの少なさから選ばれることが増えています。
この記事では「ジルコニアクラウンとはどんな素材なのか」「寿命はどのくらいか」「費用の目安はいくらか」などを詳しく解説し、長く快適に使うためのポイントも紹介します。
ジルコニアクラウンとは?
ジルコニアクラウンとは、ジルコニア(酸化ジルコニウム)という非常に硬くて丈夫な素材を用いた被せ物のことです。
・人工ダイヤモンドと同等レベルの強度
・自然な白さを再現できる
・金属を使わないため口腔内になじみやすい
といった特徴があります。
ジルコニアクラウンは奥歯や前歯を問わず幅広く利用されており、インプラントの上部構造やブリッジとしても用いられています。
「ジルコニアの歯」「フルジルコニア」と呼ばれることもありますが、基本的には同じカテゴリーに含まれる治療素材です。
ジルコニアクラウンのメリット
ジルコニアクラウンが選ばれる理由は次の通りです。
自然な見た目
白くて光を透過するため、天然の歯に近い色合いを再現しやすいです。
強度が高い
非常に硬いため、奥歯のように強い咬合力がかかる部位にも安心して使える素材です。
金属を使わない
金属アレルギーが気になる方にも選ばれやすく、歯ぐきに黒ずみが出にくいのも利点です。
変色しにくい
長期間使用しても色の変化が少なく、見た目を保ちやすいとされています。
ジルコニアクラウンのデメリット・注意点
メリットが多い一方で、注意しておきたい点もあります。
費用が高い
保険診療で適用されるケースは限られており、多くは自費診療となります。
硬さによる影響
硬すぎるため、場合によっては噛み合う歯を傷めることがあります。
加工が難しい
強度が高いため削るのが難しく、技工士の技術が仕上がりに大きく影響します。
ジルコニアクラウンの寿命はどのくらい?
「ジルコニアクラウンはどのくらい長持ちするのか?」は多くの方が気になる点です。
・一般的には10年以上使われることもある
・寿命は歯の状態・噛み合わせ・日々のケアに左右される
・歯ぎしりや食いしばりが強い場合、摩耗や破損のリスクも
ジルコニアそのものは非常に硬く長持ちする素材ですが、土台となる歯や歯ぐきの健康状態に左右されるため、定期的な歯科受診が不可欠です。
ジルコニアクラウンと他の素材の比較
治療法を選ぶ際には、他の素材と比較することが大切です。
メタルボンドクラウン
内側が金属、外側がセラミック。強度はあるが、歯ぐきの境目に金属が見えることがある。
オールセラミッククラウン
透明感が高く見た目は自然。ただしジルコニアほどの強度はない。
銀歯(金属冠)
保険適用で安価だが、見た目や金属アレルギーの懸念がある。
前歯は見た目を重視してオールセラミックやジルコニアセラミック、奥歯は強度を考えてジルコニア、といった選択が多く見られます。
ジルコニアクラウンを長持ちさせるポイント
ジルコニアクラウンの寿命を延ばすには、次のような工夫が役立ちます。
定期検診を受ける
装着後も数か月に一度チェックを受けることで、不具合を早期に発見できます。
日々の歯磨き
ジルコニア自体は虫歯になりませんが、土台の歯はむし歯や歯周病のリスクがあります。
歯ぎしり・食いしばり対策
ナイトガード(マウスピース)の使用が勧められることもあります。
生活習慣の見直し
氷や硬いおせんべいなど、極端に硬いものを噛む習慣は避けた方が無難です。
ジルコニアクラウンの費用相場
ジルコニアクラウンは多くの場合、自費診療です。
・1本あたり5万円〜15万円程度が一般的
・前歯か奥歯か、使用するジルコニアの種類によって差がある
・歯科医院によっても金額は異なるため、事前に見積もりを確認することが大切
また、近年は「保険適用の白い歯」としてCAD/CAM冠が広がっていますが、こちらはプラスチック系素材のためジルコニアとは別物です。
ジルコニアクラウンが向いている人
ジルコニアクラウンは、次のような方に選ばれるケースが多いです。
・前歯など見た目が気になる部分を自然に仕上げたい
・奥歯の強度を重視したい
・金属アレルギーが気になる
・長期的に安定した素材を使いたい
ただし、噛み合わせや口腔内の状態によっては他の素材が適している場合もあるため、歯科医師と十分に相談して決めることが大切です。
まとめ
ジルコニアクラウンは、自然な見た目と高い強度を兼ね備えた素材として、前歯・奥歯を問わず幅広く利用されています。
・寿命は一般的に10年以上とされることもある
・定期的な検診と正しいセルフケアで長持ちさせられる
・費用は自費診療が多く、1本5〜15万円程度が目安
見た目・耐久性・金属を使わない安心感から、近年ますます注目されている選択肢といえるでしょう。
自分に合うかどうかは歯科医師に相談し、メリット・デメリットを理解した上で選ぶことが大切です。