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子供の癖は噛み合わせに悪い影響をもたらすと聞きましたが、本当でしょうか?

2020年07月31日

西荻窪の善福寺歯科クリニックです。
今回は「子供の癖と噛み合わせ」についてお話しします。
小さな子供の仕草や癖は、見ていて微笑ましく可愛いですよね。

しかし、そんな可愛い癖が噛み合わせを悪くさせる原因になることをご存知でしょうか。
噛み合わせが悪い人には、必ずそうなった原因があります。
そして、その原因は子供の頃の何気ない癖によるものかもしれません。

指しゃぶり

指しゃぶりの癖は、噛み合わせが悪くなる原因になります。
指しゃぶりは仕草だけ見れば無邪気に見えますが、そこでかかる力は相当強く、
持続的に行うことで噛み合わせが悪くなり、同時に歯並びも悪くなってしまうでしょう。
また、指しゃぶりによって口の形が変形すれば、正常な呼吸や発音ができなくなってしまいます。

指しゃぶりが原因で起こる噛み合わせの異常例

1.出っ歯:指しゃぶりをする時、上の前歯が持続的に押されるため
2.上下の奥歯のずれ:指しゃぶりをすると上の歯列の幅が狭くなり、下の歯列とのバランスが崩れるため

頬杖・うつ伏せ寝

まず頬杖をつく時、体勢は頭を顎で支える状態になります。
ところが、頭は身体の中でも重たい部分になるため、頭を支えることで奥歯に負担がかかってしまうのです。
最も、ひと昔前まで子供はうつ伏せ寝がすすめられており、それは頭の形が整うという理由でした。
しかし、うつ伏せ寝は噛み合わせが悪くなる上、乳児突然死症候群の原因の一つとされることが発覚しました。

頬杖をつくことによって起こる噛み合わせの異常例

1.奥歯の噛み合わせが悪くなる:顎が頭の重さを支えることで、その負担が奥歯にかかるため
2.顎が横にずれて噛み合わせが悪くなる:頭の力が顎を横や奥に動かすことで、過剰な負担となるため

下唇を噛む

多いケースとしては、叱られた時や悔しい時や叱られた時ですね。
最も、このような場面での一時的な仕草ならそれほど気にすることないですが、癖となると問題です。
下唇を噛むと、下の歯は内側に倒されます。すると、上の歯が外側に押されて出っ歯になってしまいます。
また、舌で下唇を押すなどの癖がある場合もこれと全く同じ問題が起こります。

下唇を噛むことによって起こる噛み合わせの異常例

1.出っ歯:下唇を噛むことで下の歯が内側に倒された時、上の歯が外側に押された状態になるため
2.歯並びが悪くなる…下唇を噛んで下の歯が内側に倒されると、スペースが狭まって下の歯並びが悪くなる

爪を噛む

爪は人間の身体の中でも硬く、それを前歯だけで噛むことは前歯にとって大きな負担になります。
そして、負担のかかった前歯は歯の根が浅くなり、そうすると前歯の先が変形してしまうのです。
また、成長期において爪を噛む癖は歯だけでなく歯肉にも負担がかかり、全体の歯並びが悪化します。
さらに受け口にもなりやすく、そもそも爪を噛む行為自体が衛生的に考えて良いとは言えません。

爪を噛むことによって起こる噛み合わせの異常例

1.歯並びが悪くなる :爪は硬く、その爪を前歯だけで噛むことで歯肉に負担をかけてしまうため
2.受け口 :爪を噛む時、体勢的に下顎が前に出た状態で固定されるため

口呼吸

口呼吸は文字どおり口で呼吸することであり、この呼吸方法では上顎が成長できなくなります。
そして、上顎が成長できないことで幅は狭くなり、さらに舌の位置まで下がってしまうでしょう。
上顎の幅が狭まれば、出っ歯や歯並びの悪さにつながってしまうのです。
これは口呼吸で噛み合わせが悪なる例ですが、噛み合わせが悪いために口呼吸になるケースもあります。

口呼吸によって起こる噛み合わせの異常例

1.出っ歯:口呼吸をすると上顎が広がらなくなり、スペースが狭まってしまうため
2.歯並びが悪くなる:口呼吸で上顎が広がらないことで、歯のスペースが狭まって歯並びが悪くなる

まとめ

いかがでしたか?
最後に、子供の癖と噛み合わせについてまとめます。

1.指しゃぶり:上の前歯が押されて出っ歯になり、上の歯列の幅も狭まって下の歯列とのバランスが崩れる
2.頬杖・うつ伏せ寝:重い頭を顎で支えることで奥歯の噛み合わせが悪くなり、顎も横にずれる
3.下唇を噛む:下の歯が内側に倒され、そうすると上の歯が外側に押されて出っ歯になる
4.爪を噛む:硬い爪を前歯だけで噛むことで歯肉への負担となり、歯並びが悪くなる
5.口呼吸:上顎の成長の妨げとなり、出っ歯や歯並びの悪化を招く

これら5つのことから、子供の癖と噛み合わせについて分かります。
噛み合わせが悪いとすれば、その原因として歯並びの悪さや被せ物の高さを想像すると思いますが、
そうではなく日常生活における何気ない癖が原因となっている可能性もあるのです。

そして、噛み合わせが悪いことで頭痛、肩こり、腰痛、顎関節症などを引き起こし、
つまり噛み合わせの悪さは審美面だけでなく健康面においても悪い影響をもたらします。
特に、ここでお伝えした子供ならではの癖には注意してください。