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なぜセラミックは保険適応外なの?

2018年05月01日

「桃井第四小前」で下車後、徒歩1分にある西荻窪の善福寺歯科クリニックです。今回は「なぜセラミックは保険適応外なの?」についてご説明します。

全てが保険治療になるわけではない

日本で行われる歯科治療の多くが保険治療のため、「セラミック治療はなぜ保険適応外なのか」と考えられる方もいらっしゃるかと思います。
これは、健康保険適応条件で「身体の健康を目的とした最低限の治療」という点に触れてしまうため、セラミック治療は保険を使用して受けることができなくなっています。
これと同じ理由で、セラミック治療以外にもインプラント治療や金属床やノンクラスプデンチャーといった義歯治療にも保険を使用することができなくなっています。セラミック治療もインプラント治療もとても良い治療で、長期目線で考えると保険内の銀歯治療や1本入れ歯、ブリッジよりも残存した歯の健康寿命を延ばすことができます。

ですが、それと同時に審美的にも優れているため、「最低限」の治療とは言えなくなるのです。ここでの「最低限の治療」とは銀歯の治療を指します。
この点からも銀歯を使用した治療は最低限の治療ではあっても、「最善の治療」であるとは言えないことになります。

自費診療と保険診療は一緒に行えない

海外ではよく使用されている先進的な医療技術でも、日本で認可が下りるまでには時間がかかってしまうため、すぐには保険適応で治療をおこなうことができません。優位性の高い治療法は、自費診療として先進医療を患者さまに提供しています。

この自費治療は、保険治療と一緒におこなう混合診療が禁止されているため、自費治療をおこなう場合は、費用が全て患者さま負担になってしまいます。そのため、3割負担の保険治療にくらべて、セラミック治療の費用がより高くなってしまいます。

保険内でセラミック治療が可能な場合もある

2014年4月から新しい保険制度により、現在では保険内で「ハイブリッドセラミックレジン冠」を入れることも可能な場合もあります。ですが、適応条件が「小臼歯部」「大臼歯部の使用には金属アレルギーのある方のみ」と決まっているため、全ての患者さまの歯に対して使用できるわけではありません。使用できるものも被せ物の大きな技工物に限るため、詰め物のような小さな技工物に対しては適応除外されています。

また保険内のハイブリッドセラミックレジン冠は、CAD/CAM装置を使用して機械が作成するため、歯科技工士が直接作成する被せ物よりも精度が落ちてしまいます。
奥歯の部分で見えにくいため、ハイブリッドセラミックでも良いと思われるでしょうが、長年使用を続けると色が変色してしまう可能性があります。
より精度が高く、審美性を求める前歯部位には、オールセラミックでの治療をお勧めします。

医療費控除は適応できる

セラミック治療は保険使用することはできませんが、医療費控除の対象になります。年間での医療費が10万を超えると確定申告をすることで還付金を受け取ることができます。

歯科治療で、保険内治療のみだと年間10万を超えるのは難しくなりますが、セラミック治療等の自費治療をおこなうことで、それまで行った保険治療の医療費も一緒に申告することができます。

銀歯を入れた箇所が何度も二次虫歯になり、治療費を重ねるリスクを考えるなら、初めの段階でセラミックを使用した良い治療をおこなうことも長期的にみて、良い選択になると言えます。

セラミックを入れるなら初めの段階からがお勧め

今では、より審美的・機能的に優れているセラミック治療に対して関心を抱く患者さまも増えています。そのなかで、「ゆくゆくセラミックにしたいが、今は保険内の銀歯を入れて様子見したい」という方もいらっしゃいます。

ですが、セラミック治療を選択できる余裕のある方は、初めからセラミックを使用することをお勧めします。長期的に銀歯を入れていると金属イオンが溶け出すことで、歯茎が黒く変色したり、金属アレルギーになる恐れもあります。

一度削って銀歯を入れた歯に対して、銀歯を取り外しセラミックを入れ直すとその分だけ自身の歯も削る必要が出てきます。ご自身の歯をできるだけ多く残すためにも初めの段階からセラミックを入れることをお勧めします。

歯列矯正も同時に行える

歯の矯正もまた、保険適応外の治療法になります。セラミック治療を使用すれば、簡易な歯列矯正であればおこなうことができます。通常の歯列矯正よりも短期間でおこなうことができるため、結婚式等予定が決まっている方にお勧めの治療になります。

まとめ

いかがでしたか?最後に「なぜセラミックは保険適応外なの?」についてまとめます。
・保険適応される治療は「身体の健康を目的とした最低限の治療」
・自費治療と保険治療は混合診療ができないため、セラミック治療の費用が高額になる
・審美的に優れたセラミック治療、インプラント治療、機能的に優れた義歯治療は全て保険適応外になる
・セラミック治療でも医療費控除を受けることができる
・セラミックを入れるなら医療費を抑える、自身の歯を多く残すためにも初めの段階で入れるのがお勧め
・保険適応除外の歯列矯正も簡易的な矯正なら、セラミック治療でおこなうことができる