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顎関節症が原因で頭痛になると聞きましたが、詳しく教えてください

2020年03月02日

 

西荻窪の善福寺歯科クリニックです。

今回は「顎関節症の症状」についてお話しします。

口の中の病気によって起こる症状は、イコール口の中で起こるイメージがありますね。

 

確かに、虫歯になれば歯が痛くなり、歯周病になれば歯肉が腫れ、

虫歯も歯周病も起こる症状は口の中に限られます。

しかし、顎関節症の場合はそれとは違い、頭痛が起こるケースもあるのです。

顎関節症とは

まず顎関節症について説明すると、これは噛み合わせの異常などが原因で起こる病気です。

症状としては「顎の関節が痛む」、「口を開けられない」、「顎を動かした時に音がする」などが挙げられますが、

あくまでこれらは一例であり、中には口や顎とは一見無関係に思える症状まで起こります。

 

症状を分けると関節からのもの、筋肉からのもの、もしくはその両方からくるものがあり、

治療においても正確な診断が求められるため、知識や経験に長けた医師からの治療を受けましょう。

ちなみに、前述した症状を詳しく解説すると次のようになります。

 

顎の関節が痛む

顎の関節だけでなく、その周囲の頬やこめかみまで痛みを感じるケースもあります。

常に痛むわけではなく、食べ物を噛んだ時や顎を動かした時だけに痛みを感じるのが特徴です。

そのため、何もしなくても顎が痛むのであれば、顎関節症ではなく全く別の病気の可能性が考えられます。

大きく口が開かない

正確には開口障害と呼ばれる症状で、正常な状態なら口は40ミリ~50ミリほどまで開きます。

しかし、顎関節症で開口障害が起こると、口が30ミリ以下しか開かなくなるのです。

突然このように口が開かなくなることもあれば、徐々に開かなくなっていくこともあります。

顎を動かした時に音がする

文字だと表現しづらいのですが、顎を動かした時に「カクカク」や「ミシミシ」などの音がすることです。

これは顎関節症の症状としては軽く、音だけの症状しかなければ特に治療が不要なケースもあるでしょう。

しかし、顎を動かすたびに音がする点で耳障りになってストレスに感じてしまう人もいます。

 

顎関節症と頭痛の関係

顎関節症になると噛み合わせが悪くなり、また噛み合わせが悪いと顎関節症になりやすく、

その意味で顎関節症と噛み合わせの状態は決して無関係ではありません。

さて、噛み合わせが悪い場合はそれが噛む筋肉に影響し、その影響が頭痛の原因となります。

 

噛む時には側頭筋と呼ばれる筋肉を使用しますが、この筋肉は顎関節から頭の横にかけてつながっており、

側頭筋の「側頭」の文字からもそれは連想できるでしょう。

この側頭筋が悪い影響を受けることで頭痛が起こり、つまり噛み合わせが悪いと頭痛が起こりやすいのです。

 

ちなみに、噛み合わせの悪さによって顎関節症は起こりますし、

顎関節症で起こる症状の中には頭痛は含まれているため、顎関節症になるとやはり頭痛が起こります。

つまり、顎関節症になると頭痛が起こるのは、噛む時に使用する筋肉への影響が原因となっているのです。

 

顎関節症の自宅療法

顎関節症は生活習慣病に近い部分があり、つまり日常生活の過ごし方を改善することが治療のポイントです。

それはいわゆる自宅療法とも呼べるもので、顎関節症になった場合は次のことへの注意が必要になります。

かたいものを食べない

本来なら、かたいものを食べることは噛む回数を増やし、顎を強くするプラス効果をもたらします。

しかし、顎関節症になった場合はそれを控えるべきで、かたいものを食べないようにするのが基本です。

大きく口を開かない

顎関節症になると口が大きく開かなくなり、どうしてもそれが気になってしまうかもしれません。

しかし無理に口を開こうとしてはならず、会話や食事の時には大きく口を開かないように意識します。

冷やす、温める

湿布を貼っての対処になりますが、冷やすか温めるかは痛み方によって区別します。

痛みの急性期は冷湿布で冷やし、慢性的な痛みは温湿布で温めて対処すると良いでしょう。

マッサージをする

顎関節症になると顎の筋肉が痛むことがありますが、その場合はマッサージが効果的です。

マッサージによって血行が良くなれば、感じる痛みをある程度軽減させられます。

姿勢を正しくする

立つ時や座る時には正しい姿勢を意識してください。

顎を突き出す姿勢、猫背、同じ姿勢を長時間維持する、これらはいずれも症状を悪化させてしまいます。

仰向けで寝る

うつ伏せで寝ると顎や首の筋肉に負担がかかるため、顎関節症が悪化しやすくなってしまいます。

そのため、寝る時の姿勢は仰向けになる必要がありますし、高さのある枕の使用もおすすめできません。

リラックス

緊張すると身体がかたくなりますが、それは顎関節に負担をかけてしまいます。

ですから気分としてはリラックスすることが効果的で、適度に緊張を解くようにしましょう。

運動

意外に思えるかもしれませんが、顎関節症に対して運動は効果的です。

具体的にはウォーキングや水泳などの全身運動で、気分転換によるリラックスにもつながります。

顎への負担を避ける

これは基本とも言えることで、顎関節症になってしまった場合は顎に負担をかけてはいけません。

特に、頬杖をつくなどの仕草には要注意ですし、吹奏楽の演奏もおすすめできません。

 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、顎関節症の症状についてまとめます。

 

1. 顎関節症とは :噛み合わせの異常などによって起こる病気で、顎関節が痛むなどの症状が起こる

2. 顎関節症と頭痛の関係 :噛む筋肉の影響によって、顎関節症になると頭痛が起こる

3. 顎関節症の自宅療法 :多種多様。かたいものを食べない、大きく口を開かないなど多数の方法がある

 

これらのことから、顎関節症の症状について分かります。

医師に噛み合わせの悪さを指摘された経験のある人は、顎関節症に注意する必要があるでしょう。

噛み合わせが正常な人でも顎関節症になりますが、噛み合わせが悪い人だと顎関節症は発症しやすく、

また重症化しやすい傾向があり、そして顎関節症の症状の中には頭痛も含まれます。