ホーム  »  ブログ  »  金属アレルギーの場合、セラミックに変えれば症状はなくなる?

ブログ

金属アレルギーの場合、セラミックに変えれば症状はなくなる?

2018年03月21日

「桃井第四小前」で下車後、徒歩1分にある西荻窪の善福寺歯科クリニックです。今回は「金属アレルギーの場合、セラミックに変えれば症状はなくなる?」についてご説明します。

金属アレルギーでお悩みの方やアレルギー症状が出るのを予防したい方は、セラミック治療について本当に金属からセラミックへ変えるだけで症状がなくなるのか、きになるのではないでしょうか?

お口の中の金属が原因の金属アレルギーって?

お口の中の金属が原因でアレルギー反応を起こしているのに、意外にも症状が出る部分はお口の中とは限りません。多くの場合が、手足の湿疹やかゆみ、全身にわたって症状が発症します。そのため、金属アレルギーであることが発覚しても、なかなか歯科を訪れてお口のなかの金属を取り除く治療を行わないため、薬を塗っても一向に症状改善しないこともあります。

保険で使用される金属は、口内環境の変化(熱いものや冷たいもの、酸性の強いものの飲食など)で少量ずつ金属イオンが血流を通して全身に流れていきます。
そのため、口からは遠隔である手足に症状として発症してしまいます。アレルギー反応は長年の蓄積により突然発症してしまいます。普段貴金属を身につけることの多い女性の方が、金属アレルギーを発症しやすいのもこのためです。

主な症状:
・口内炎、口唇炎、口角炎
・扁平苔癬(へんぺいたいせん)
・味覚障害
・掌蹠嚢胞(しょうせきのうほう)
・湿疹、皮膚炎
・脱毛症

⚪︎アレルギー反応を起こす金属は?
保険治療での金属:金銀パラジウム合金、ニッケルクロム合金、アマルガム、銀合金
自費治療での金属:金合金、白金合金

アレルギー反応を示す金属には個人差があります。皮膚科や専門の大学病院などでパッチテストを行い、アレルゲンを特定して治療を行っていきます。

どのくらいでアレルギー治療が終わるの?

金属アレルギーであることがわかっても、お口の中のどの金属でアレルギー反応を起こしているのか特定しなくてはなりません。闇雲にお口の中の金属を除去しても、除去中に出る金属の削りカスで強いアレルギー反応を示し、より悪化してしまうケースもあります。
そのため、金属アレルギーになると長期にわたっての通院、歯科治療が必要となってしまいます。中には治療を始めても完治しない方もいらっしゃるようです。

「抗原を含有する修復物を口腔内より選択的に除去し,一定期間の経過観察を行いながら治癒傾向を見ます。(2,3カ月から1年程度)治癒の方向に進めば,慎重に材料選択を行いながら,再修復に進みます。

1991~1995年に東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科アレルギー外来を訪れた93人の患者さんのデータによれば,原因除去療法が終了して2月経っても,50%以上はあまり良くなりません。しかし,2年くらい経つと改善傾向がみられるのは58%と増えてきていますが,治らない人もいます。」(日本歯科医師会から引用)

金属アレルギーを発症させないことが大切!

金属アレルギーになってしまうと、アレルゲンの特定、金属から非金属への処置等多くの時間と費用がかかってしまいます。
できれば、アレルギー反応を示さないうちに、お口のなかの金属を増やさない努力が必要です。「金属アレルギーではないから大丈夫!」と考えている方も、もしかすると花粉症のようにいずれはご自身もアレルギー体質に変化してしまうことも考えられます。

金属の詰め物・被せ物を避けるのが将来アレルギー体質にならないためにも大切なことになります。

アレルギー反応を示さない歯科材料

非金属の材料を使用することで、金属アレルギーを発症するリスクを抑えることができます。また、金属アレルギーの治療でアレルゲンを取り除いた後もこれらの材料を用いて置き換えの治療を行っていきます。

⚪︎セラミック治療
自費の治療にはなりますが、金属を含まない陶器と同じ材質のため、金属アレルギーや金属による弊害を避けることができます。
裏側をジルコニアで補強すればより強度の高い被せ物になるため、噛み合わせの強い方にも使用することができます。

また、二次虫歯になるリスクも軽減することができるので長期目線だととてもおすすめの治療法になります。

⚪︎レジン
保険でも使用することができるプラスチックの材料になります。大きな被せ物をしないといけない時には使用できませんが、小さな虫歯の際には使用することができます。

ただ、長年使用を続けるとプラスチックですので、色が変色したり、かぶせた箇所が浮いてくることもあります。

⚪︎生体親和性の高い金属
身体に馴染みやすく、金属イオンが流出するリスクの低い「金」や「チタン」といった金属で治療を行うことができます。

ただ、セラミック治療に比べて、金属のため審美的に問題が出てしまうので、「同じ金額を支払うのならセラミックを選択する」というのが今の主流になります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に「金属アレルギーの場合、セラミックに変えれば症状はなくなる?」についてまとめます。

・金属アレルギーを発症すると、約2年で半数の方が症状が改善される
・完全に症状が改善されるまでには、長期間の治療と費用がかかってしまう
・アレルギーを発症する前から、できるだけお口の中に金属物を増やさないのがベスト