ブログ
顎関節症の治療はどのようなことをするの?
2018年11月15日
「口が開きにくい」「顎が痛い」等の症状があると、普段の私生活でも辛いです。治療をおこなえば、症状が緩和され悩みを解決することができます。顎関節症の治療を行いたい方は、是非参考にしてみてください。
顎関節症の治療法は人により様々
顎関節症はただ噛み合わせや歯並びが原因で起こる病気ではありません。多因子要因で発症します。そのため「今までは痛みが生じていなかったのに、急にお口の開閉で痛みが出た」ということも十分あります。発症するトリガーとなるものが、度重なる日常のストレスによるものかもしれませんし、食事で固い物を食べたのが原因かもしれません。
何が要因で症状を発症するようになるのかは、人によって違います。そのため、患者さまの容態に合わせた治療法の選択を行います。
顎関節症の治療に要する期間は?
顎関節症の重症度によって治療に要する期間も異なります。軽度の方であれば、行動療法をおこなうだけですぐに症状がなくなる方もいます。重度の方の場合、完治することなく顎関節症の症状とうまく付き合っていく、症状が出ないように管理していくことを目的に治療を進めることもあります。
多因子要因の治療の難しいところですが、顎関節症はこの程度の期間治療したら必ず治るという物ではありません。人によっては症状が消えたり、数年時間が経った後に何らかのタイミングで症状が再発する場合もあります。
顎関節症の痛みの原因
顎関節症は関節あるいは顎の筋肉の痛み、口の開閉時の雑音、お口の開きにくさといった開口障害があります。これらの症状が出る病態には、顎やお口周りの筋の機能障害や痛み、靭帯障害、関節円板の障害、関節の変形等が考えられます。
左右差や負荷がかかる噛み合わせの状態だと、筋肉や靭帯に影響が出て痛みを伴います。また痛みが出た状態を長年放置していると関節が変形を起こし、痛みが出ていることもあります。軽症の場合だといつの間にか症状がなくなっていたという場合もありますが、関節が変形を起こしている場合や関節円板の障害によるものだと、しっかり治療をおこなわなくては一向に症状が改善しません。
どの部分が原因で痛みが生じているのかをしっかり診査・診断し、アプローチしていく必要があります。
レーザーによる温熱療法
顎関節の部位にソフトレーザーを照射します。レーザー治療は痛みはなく、照射部分がほんのり温かくなります。開口障害や顎関節や顎の筋肉の痛みが出ている場合、痛みを緩和させることができます。
マウスピースによるスプリント療法
顎のズレが生じている場合、上顎にマウスピースを装着して顎の位置を整えるスプリント療法を行います。マウスピースにもハードとソフトと種類があり、患者さまのお口の状態によってマウスピースの種類を使い分けます。
歯ぎしりやくいしばりを夜間行っている方に対しては、ナイトガードのマウスピースを使用します。夜間の歯ぎしり・くいしばりを軽減することで、顎関節症の症状を和らげることができます。
歯ぎしりやくいしばりの改善をおこなう行動療法
睡眠時無意識で行っているブラキシズム(歯ぎしり・くいしばり)と覚醒時ブラキシズムがあります。これらは過度な力が関節や筋肉にかかってしまうため、顎関節症の症状が出てしまいます。
まずはご自身がブラキシズムを行っている自覚はあるか確認をおこない、睡眠時におこなうものに対しては、ナイトガード等のマウスピースで予防を行い、覚醒時に対しては見える位置に「噛みしめない!歯を接触させない!」等の張り紙をすることで癖を改善していきます。
噛み合わせの調整
被せ物や詰め物といった治療箇所が原因で、顎関節症の症状が発症することもあります。問題となる被せ物は噛み合わせが高いだけでなく、歯が低すぎるのも噛み込みすぎるため、噛み合わせに問題が生じます。
こういった被せ物・詰め物の治療箇所があった場合には、その部分の調整をおこなうことで、噛み合わせを整えていきます。
セルフでおこなう方法
ご自身でも日常生活気をつけることで、顎関節症の症状を緩和させることができます。症状がひどくならないように、痛みを少しでも抑えるのを目的に行いましょう。
・あくび等お口を大きく開けるのを避ける
・咀嚼回数の少なくて済む食事をとる(うどんやおかゆ等)
・上下顎の歯を普段から接触させないようにする
・頬杖をする等一方の顎に負担のかかることをしない
・同じ姿勢を長時間続けるのを避ける
・食事をとる時左右バランスよく噛む
・ガムや固い物等咀嚼の必要なものを避ける
・顎や首のマッサージをする
まとめ
いかがでしたか?最後に「顎関節症の治療はどのようなことをするの?」についてまとめます。
・どの部位で痛みが生じているのかを診査・診断をおこなう
・レーザによる温熱療法
・マウスピースを使用したスプリント療法
・張り紙を用いた行動療法
・被せ物、詰め物の噛み合わせの調整
・セルフでおこなう顎関節症の症状を緩和させる方法