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噛み合わせの状態を自己診断することはできますか?

2021年01月15日

西荻窪の善福寺歯科クリニックです。
今回は「噛み合わせの状態を知るための自己診断」についてお話しします。
噛み合わせの状態は、自分ではなかなか確認しづらい部分です。

自分の噛み合わせの状態を確実に知るには、歯科医院で診断してもらうのが確実ですが、
一つの目安として参考にできる自己診断の方法を解説します。
鏡の前で確認すれば、自分の噛み合わせが良いのか悪いのか、悪いとすればどこが悪いのかが分かります。

診断ポイント1. 上下の前歯の中心

上下の前歯の中心に注目し、ここが一致していなければ噛み合わせが悪い状態です。
悪い箇所としては、上下の歯の噛み合わせ、もしくは上下の顎の骨の左右へのズレが考えられます。
ちなみに、左右の歯の噛み合わせは顎の骨を深い関連性があります。

例えば、子供の頃に顎の骨のズレがなかった人が、左右の歯の噛み合わせのズレを放置したとします。
この場合、顎の骨が成長する過程で徐々に上下の顎の骨がズレてしまうこともあるのです。
さらに見た目にも影響をもたらし、真正面から顔を見た時に顎が曲がった状態になってしまいます。

診断ポイント2. 前後のバランス

まず、出っ歯や受け口の状態は明らかにバランスが悪いのが分かります。
正常な基準は少し細かく、前歯と奥歯のそれぞれの噛み合わせから診断します。
この時、上の歯が下の歯に比べて2ミリ程度外側に並んでいれば正常な状態と言えるでしょう。

前後のバランスが悪くなる要因は、上下どちらかの顎の骨が生まれつき小さい、
もしくは大きく成長し過ぎている、噛み合わせの悪さによって前後にズレてしまっていることが考えられます。
前後のバランスが悪いと発声時に発音しづらくなり、噛んだ時も食べ物を潰しにくくなります。

診断ポイント3. 噛み合わせた時の上下の前歯

前歯の噛み合わせの深さは2ミリ程度が正常、これより浅いと食べ物を噛み切れなくなります。
一方で、4ミリ以上深い場合も正常な噛み合わせとは言えないでしょう。
また、上下の歯が噛み合わない、スペースが空いている状態なども正常な噛み合わせではありません。

噛み合わせが深すぎると、上の前歯に下の前歯が噛みこむ状態になるため、
下顎が前に成長しようとした時に自然に前に出ることができなくなるのです。
そうなると出っ歯になりやすく、また噛み合わせの深さが顎関節に負担をかけてしまいます。

診断ポイント4. 横顔になった時の口元

自然な状態にした時、鼻呼吸ができて口が閉じていなければならず、
いずれかができていない場合は噛み合わせが正常ではありません。
特に、鼻呼吸ができないと虫歯や歯周病が発症しやすくなってしまいます。

これは、口呼吸をすることで口の中が乾燥してしまうのが理由であり、
そうすると唾液が蒸発して細菌の浄化作用が不充分になってしまうのです。
また、口が閉じられないのは噛み合わせが悪いのが原因であり、歯並びの悪さが考えられます。

診断ポイント5. 唇

唇の診断ポイントは2つあり、1つ目は左右の目から唇の両端までの距離です。
この場合、距離がズレていると左右の歯の噛み合わせに問題がある可能性が高いでしょう。
2つ目に、自然に微笑んだ時の唇の両端の高さです。

もう1つは微笑んだ時の唇の両端の高さです。口元が微笑む形を作れば唇の両端は自然に高くなりますが、
この時に唇の両端の高さがズレていると、やはり噛み合わせに問題がある可能性が高いのです。
唇については歯に比べて確認しやすいと思うので、今すぐにでも自己診断が可能です。

診断ポイント6. 歯並

これは、噛み合わせの状態を診断する時の基本です。歯並びが悪ければ正常に噛み合わせることはできず、
つまり「歯並びが悪い=噛み合わせが悪い」と判断できます。
ちなみに、歯並びが悪い状態の一つは歯と歯の間に隙間があいている場合です。

もっとも、乳歯は隙間があいている方が正常のため、これは永久歯に関して言えることです。
また、歯が重なって生えているのも歯並びが悪く、
正常な歯並びとは歯が重なることなく綺麗に一列に並んだ状態を意味します。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、噛み合わせの状態を知るための自己診断についてまとめます。

診断ポイント1. 上下の前歯の中心 :噛み合わせた時の上下の前歯が一致しているか
診断ポイント2. 前後のバランス :噛み合わせ時の上の歯が、下の歯に比べて2ミリ程度外側に並んでいるか
診断ポイント3. 噛み合わせた時の上下の前歯 :前歯の噛み合わせの深さが2ミリ程度になっているか
診断ポイント4. 横顔になった時の口元 :自然な状態において、鼻呼吸ができていて口が閉じているか
診断ポイント5. 唇 :左右の目から唇の両端までの距離、微笑んだ時の唇の両端の高さが均等になっているか
診断ポイント6. 歯並び :歯が重なることなく綺麗に一列に並んでいるか

これら6つのことから、噛み合わせの状態を知るための自己診断について分かります。
噛み合わせが悪いと、口の中だけでなく全身の健康にも悪い影響をもたらします。
例えば、慢性的な頭痛や肩こりがあれば、それは噛み合わせの悪さが原因になっている可能性もあり、
顎関節症などの病気に対しても発症しやすく、さらに重症化もしやすくなってしまうのです。