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メタルボンドとジルコニアセラミック、どちらを選択すべきですか?

2020年12月25日

西荻窪の善福寺歯科クリニックです。
今回は「メタルボンドとジルコニアセラミック」についてお話しします。
審美性の高いセラミックは陶器が素材となっており、二次虫歯を予防しやすいなどの特徴があります。

その一方で、陶器と聞くと強度に不安に感じる人も少なくなく、
強く噛みすぎるなどの事故によって欠けてしまうことがあるのも事実です。
ただ、セラミックの種類の中には強度に長けたものもあり、それはメタルボンドとジルコニアセラミックです。

強度に長けた2つのセラミック

セラミックは人工物として充分な強度を誇るものの、一方で欠け・割れの事故が起こるケースがあるのも事実。
当然噛む力が強いほど事故は起こりやすく、そのため奥歯をセラミックにすることに不安を感じるかもしれません。
さて、セラミックには現状次の4つの種類のものが存在します。

・オールセラミック
・ハイブリッドセラミック
・メタルボンド
・ジルコニアセラミック

それぞれのセラミックには独自の特徴があり、オールセラミックはもっとも美しくて耐久性が高いのが特徴です。
また、ハイブリッドセラミックは年数経過による変色が起こる一方で費用が安くてお手軽な特徴があります。
そして、強度の高さが特徴となっているのがメタルボンドとジルコニアセラミックです。

こうして比較すると、メタルボンドとジルコニアセラミックは似た特徴を持つセラミックであることが分かります。
そうなると気になるのが、“強度の高さを優先する場合はどちらのセラミックを選択するべきなのか”という点、
そこで以下の項目でメタルボンドとジルコニアセラミックの違いについて解説していきます。

メタルボンドの特徴

メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けたタイプです。
つまり、セラミックでありながら金属の強度を兼ね備えているのがメタルボンドの特徴になります。
仮にセラミックが割れてしまっても、フレームが無傷なら修復も難しくないでしょう。

ただ、一方で本来セラミックにはない欠点があることも知っておかなければなりません。
1つ目に金属アレルギーの対象になること、これはメタルボンドが金属を使用したセラミックだからです。
2つ目に劣化すると審美性が低下すること、これはセラミックが剥がれて金属が露出するためです。

「金属アレルギー」・「審美性の低下(劣化時)」、どちらもセラミックでは起こりえない欠点に思えますが、
メタルボンドは“金属のフレームを使用する”という独自のセラミックだからこそ、独自の欠点があるのです。

ジルコニアセラミックの特徴

ジルコニアセラミックは、人工ダイヤモンドを使用したタイプです。
「ダイヤモンド」のキーワードが示すとおり、“硬すぎるほど硬い”がジルコニアセラミックの特徴で、
そのため奥歯でも安心して使用できますし、メタルボンドの欠点も解消されています。

まずメタルボンドは金属を使用していますが、ジルコニアセラミックでは一切使用しておらず、
また審美性もメタルボンドを上回っており、全てのセラミックを含めてもオールセラミックに次ぐ美しさです。
「金属アレルギー」・「審美性の低下」の欠点がないことから、メタルボンドの上位モデルと解釈できます。

ただし、一方でメタルボンドと比較した時の欠点があることも事実です。
それは費用が高いこと、メタルボンド以上の審美性と機能性だからこそ、メタルボンドよりも費用は高くなります。

メタルボンドとジルコニアセラミックはどちらがおすすめか

メタルボンドとジルコニアセラミックは、いずれの強度の高さが特徴です。
そのため、選択の基準は「強度以外に何を求めるのか?」の回答で決まります。

<メタルボンドがおすすめの人>
・一定レベルの審美性なら問題ないと考える人
・できるだけ費用を安く抑えたい人

<ジルコニアセラミックがおすすめの人>
・審美性にも強くこだわりがある人
・強度の高いセラミックを希望するものの、金属アレルギーでメタルボンドを使えない人

セラミックとしての審美性があれば充分と考え、少しでも費用を抑えたい人にはメタルボンドがおすすめです。
一方、審美性を追求したいと考える人、また金属アレルギーの人にはジルコニアセラミックがおすすめで、
特に金属アレルギーの人はメタルボンドの使用が不可能です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、メタルボンドとジルコニアセラミックについてまとめます。

1. 強度に長けた2つのセラミック :メタルボンドとジルコニアセラミックは、強度の高さが特徴のセラミック
2. メタルボンドの特徴 :金属のフレームにセラミックを焼け付けたタイプ
3. ジルコニアセラミックの特徴 :人工ダイヤモンドを使用したタイプ
4. メタルボンドとジルコニアセラミックはどちらがおすすめか :強度以外の求める要素によって決まる

これら4つのことから、メタルボンドとジルコニアセラミックについて分かります。
メタルボンドとジルコニアセラミックは強度に長けた特徴があり、奥歯をセラミックにする場合におすすめです。
イメージとしてジルコニアセラミックはメタルボンドの上位モデル、
審美性と機能性でメタルボンドを上回りますが、費用はメタルボンドの方が安くなります。
どちらがおすすめなのかは、強度以外の部分で何を優先するのかによって決まるでしょう。