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8月, 2024年

ブリッジ治療中の仮歯の役割は?仮歯の必要性などを解説! [2024年08月19日]

何かしらの理由で歯を失った方、特に前歯を失った方は歯を補う治療法としてブリッジ治療を選択する方がいらっしゃいます。

しかし、「ブリッジが入るまでの間は歯は抜けたまま?」「仮歯は入れなくていいから、その分治療費は安くなる?」そのような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はブリッジ治療中の仮歯について解説しますので、ブリッジ治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。

仮歯とは?

まず、仮歯とはどのようなものか簡単にお話しておきます。
仮歯とは、歯の治療中や被せものの製作中などに一時的に装着する人工の歯になります。

一般的には歯科用プラスチックの「レジン」と呼ばれるものでできており、あくまで一時的なもののため、強度はなく長期間使用すると着色や汚れにより変色していきます。

仮歯とはいえ、普段の食事や歯みがきなどで簡単に外れることはまずありません。
しかし、取り外し可能な接着力の弱いセメントを使用しているので、粘着力の強い食べ物を食べたり、強い衝撃が加わったときは外れてしまうことがあるので注意しましょう。

仮歯はなぜ必要?

仮歯は被せものができ上がるまでの歯がない期間中、見た目の問題を解消するだけのものなのでしょうか。
仮歯にはその他にも非常に重要な役割がいくつかあります。
「治療費がかかるなら仮歯はいらない」と思っている方は、以下のポイントを確認して仮歯の必要性を理解しましょう。

歯が動かないように安定させる

歯は空いたスペースがあるとそこを埋めようとする性質があるため、空いたスペースに向けて少しずつ移動します。
被せものができ上がる前に歯が移動してしまうと、でき上がった被せものが合わなくなる可能性があります。そういったことを防ぐために、仮歯を入れて歯や歯肉を固定し、安定させる必要があります。

細菌感染、汚れ、外部の刺激から守る

治療途中は歯がむき出しになっている状態です。
熱い食べ物や冷たい食べ物、歯みがきや噛むときの刺激でダメージを受けてしまうことがあるので、仮歯を入れてそのような刺激から歯を守ります。

また、削った歯をそのままにしておくと表面にプラークが付着し、土台となる歯が汚れることで細菌が増え、新たにむし歯になるリスクが高まります。

仮歯を装着することで、最終的な被せものができ上がるまで、口の中を清潔でよい状態に保つことができます。

噛める状態を維持する

歯の根っこを覆っている薄い膜「歯根膜」は噛む力を感じるセンサーの役目をしています。
しかし、長い間噛まずにいると歯根膜が怠けてしまい、いざ被せものができ上がり装着して噛み始めると、噛む力に過剰に反応して違和感を覚えることがあります。

そのようなことにならないようにするために、仮歯を入れて歯根膜を怠けさせないよう、被せものができ上がったときの本番に備え、噛む感覚をならしておく必要があります。

見た目をきれいにする

特に前歯は相手に与える印象に大きく関わってきます。
相手からの印象だけではなく、自分でも気になってしまい、口元を隠したり、食事や会話を楽しめなくなったりしますね。

仮歯が入っていれば、歯がないことはほとんど気付かれずに生活ができるでしょう。

仮歯の期間の注意点

仮歯の期間中に注意しなければならないポイントがいくつかあるので覚えておきましょう。

食べるものに注意する

仮歯の期間中は、煎餅やするめなどの固いもの、ガムやキャラメルなど粘着性のあるものはできるだけ避けましょう。
仮歯が破損したり外れたりする原因になります。

セルフケアをしっかりとおこなう

仮歯は一時的なものとはいえ、歯みがきなどのセルフケアをしっかりおこなわないと、むし歯や歯周病、口臭の原因となります。

また、仮歯は最終的な被せもののようにピッタリと調整されているわけではないので、仮歯と歯ぐきの間に汚れが溜まりやすくなっています。
そのため、いつも以上に丁寧な歯みがきを心がけましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシは仮歯に引っかかる場合があるので、使用するときは注意が必要です。

仮歯が外れたら?

万が一、仮歯が外れてしまったら、仮歯は捨てずに袋や小さな容器などに入れて保存し、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

仮歯が外れたときに絶対にやってはいけないこと

・瞬間接着剤などで付ける
・そのまま放置しておく

この2つです。

市販の瞬間接着剤などは仮歯で使用する接着剤より強力なため、しっかり接着しすぎて外すときに歯を削らなければならない場合があります。

また、仮歯が外れたところは、1週間放置しておけば歯が動いてしまいます。
歯が動くと作製途中の被せものが合わなくなり再度やり直さなければならない可能性があるので、仮歯が外れたら2、3日中には受診するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。今回は仮歯の役割や注意点について解説しました。

仮歯は見た目をよくするだけではなく様々な役割があり、ブリッジ治療の被せものの製作中は必要なものであることがわかりましたね。

しかし、仮歯はあくまで一時的なものであり、仮歯で何も問題ないからといって治療を途中でやめてしまうのは避けましょう。
最終的な被せものをスムーズに装着し、治療を長引かせないためにも仮歯と上手に付き合っていきたいものですね。