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虫歯の治療は噛み合わせが悪くなる原因の一つだと聞きました

2020年08月31日

西荻窪の善福寺歯科クリニックです。
今回は「人工物と噛み合わせ」についてお話しします。
噛み合わせが悪く原因を考えた時、真っ先に想像するのは歯並びの悪さでしょう。

確かに、歯並びが悪ければその時点で噛み合わせも悪くなりますからね。
ただ、意外な原因で噛み合わせが悪くなってしまうケースもあります。
例えば、虫歯の治療によって噛み合わせが悪くなる可能性もあるのです。

人工物によって噛み合わせが悪くなる

虫歯の治療によって噛み合わせが悪くなった場合、その原因として多いのは人工物です。
虫歯の治療では虫歯の進行度によって歯を削る必要があり、削った患部は詰め物や被せ物で処置します。
この詰め物や被せ物が人工物になりますが、次のことが原因で噛み合わせが悪くなってしまうのです。

人工物の劣化

人工物は永久に使用することはできず、年数の経過によって少しずつ劣化していきます。
例えば、噛む力が強い人は人工物が摩耗することも考えられますね。
人工物が摩耗すればわずかに高さが下がり、高さが下がれば噛み合わせが悪くなってしまいます。

高さの調整が合っていない

人工物の高さが合っていなければ、噛み合わせは悪くなります。
高すぎる場合は人工物を削ることで調整できますが、
低すぎる場合は高くできないため、人工物を再製作しなければならない可能性があります。

詰め物が取れたまま放置している

詰め物が取れてしまうと、虫歯の治療をした患部が露出します。
患部は歯を削ってあるためエナメル質で覆われておらず、虫歯の再発を引き起こしてしまうでしょう。
また、詰め物が失われたことで噛み合わせも悪くなってしまうのです。

噛み合わせが悪くなることで起こる問題

噛み合わせの悪さは放置してはならず、次のような問題を引き起こす原因になってしまいます。

慢性的な肩こりや頭痛

噛み合わせが悪いと、噛む時に使用する広頸筋・側頭筋などの筋肉に影響します。
広頸筋は首から肩にかけてつながる筋肉、側頭筋は顎関節から頭の横にかけてつながる筋肉であり、
それぞれ悪い影響を受けてしまうことで肩こりや頭痛を引き起こしてしまいます。

顎関節症の発症と重症化

顎関節症は噛み合わせが正常な人でも発症する病気ですが、
噛み合わせが悪いと発症のリスクが高くなります。
さらに、噛み合わせが悪い人が顎関節症になると重症化しやすくなってしまいます。

歯肉への負担

噛み合わせが悪い場合、噛んだ時に特定の歯に過剰な力がかかります。
そうなると、その歯だけでなく歯を支える歯肉にも負担となってしまい、
歯肉が炎症を起こして歯肉炎が発症…歯肉炎は初期の歯周病に相当する病気です。

定期的な検診の重要性

詰め物が原因で噛み合わせが悪くなったとしても、自身でそれを把握するのは難しく、
そもそも噛み合わせが悪くなっていることに気づかない人も多いでしょう。
そこで重要になるのが、歯科医院での定期的な検診の受診です。

検診を受診すれば、医師が口の中の健康状態を確認するため人工物の異常も発見可能。
当然人工物の劣化も発見できるため、噛み合わせの悪化だけでなく二次虫歯も予防しやすくなるでしょう。
特に、人工物で処置した後に違和感がある人は、検診を受診して噛み合わせを確認してもらってください。

最も、定期検診の目的は人工物の状態を確認するだけのものではなく、
虫歯や歯周病に対する予防効果の向上、早期発見のためでもあります。
そのためできれば3ヶ月に1回、それが無理でも6ヶ月に1回は検診を受診するようにしましょう。

治療を受ける歯科医院の選び方

虫歯の治療で歯科医院に行く時、多くの人は通院の距離だけで歯科医院を選びます。
しかしそうではなく、治療の精度が高い歯科医院を選ぶのが本来おすすめであり、
そうすれば少なくとも人工物の調整ミスによる噛み合わせ悪化の事態は予防できるでしょう。

選び方のポイントは、WEBサイトで医療設備を確認する(マイクロスコープの使用など)、
できるだけ削らずに虫歯を治すことを大切にする歯科医院を選ぶなどを基準にしてください。
また、口コミによる歯科医院の評判を参考にしても良いですね。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、人工物と噛み合わせについてまとめます。

1.人工物によって噛み合わせが悪くなる:人工物の劣化、高さの調整が合っていないことなどが原因
2.噛み合わせが悪くなることで起こる問題:慢性的な肩こりや頭痛、顎関節症の発症と重症化など
3.定期的な検診の重要性:検診を受診すれば、人工物の状態を確認できる
4.治療を受ける歯科医院の選び方:虫歯の場合、精度が高い治療を行っている歯科医院に行くべき

これら4つのことから、人工物と噛み合わせについて分かります。
人工物とは噛む役割を担うものであり、そのため高さが合わなければ噛み合わせが悪くなってしまいます。
噛み合わせの悪さは、肩こりや頭痛、顎関節症などの原因になるため無視できる問題ではなく、
人工物で処置している人は定期的に検診を受けて噛み合わせの調整を行ってもらいましょう。