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虫歯のなりやすさと、噛み合わせの悪さは関係していますか?

2020年06月16日

西荻窪の善福寺歯科クリニックです。

今回は「噛み合わせの悪さがもたらす悪影響」についてお話しします。

虫歯の有無を除き、みなさんが歯について気にすることを挙げてみましょう。

それは歯の色、歯並びなどの審美性だと思いますが、では噛み合わせを気にする人はいるでしょうか。

おそらく噛み合わせは目立ちにくいため、例え悪くても気にしない人が多いと思うのですが、

実は噛み合わせの悪さは虫歯になるリスクを高める要因になるのです。

歯磨きの精度低下

噛み合わせが悪い人は歯磨きの精度が低く、噛み合わせが正常な人に比べて磨き残しが多くなります。

と言うのも、噛み合わせが悪ければ歯並びも悪い可能性が高く、

そもそも歯並びが悪いことで噛み合わせが悪くなっているかもしれません。

そして、歯並びが悪ければ歯が磨きづらく、凸凹した歯並びだと磨けない箇所もあるでしょう。

そのため、噛み合わせが悪い人は磨き残しが多くなってしまい、

磨き残しが多いということはそれだけ虫歯にもなりやすいということになります。

プラークが剥がれない

噛み合わせが正常な人は、噛み合わせた時に適度な感覚で歯と歯がぶつかりますね。

それは一つの衝撃であり、その衝撃によって歯に付着したプラークが剥がれます。

つまり、噛み合わせが正常な人はある程度のプラークが自然に剥がれるのです。

一方、噛み合わせが悪い人は噛み合わせても歯と歯がぶつからず、

そのため歯に付着したプラークは依然そのまま残ります。

歯に付着しているプラークの量が多ければ、それもまた虫歯になるリスクを高めてしまうでしょう。

口呼吸になる

噛み合わせが悪いといってもその状態は様々ですが、状態次第で口呼吸になる人がいます。

そして、口呼吸になることも虫歯になりやすい原因の一つであり、

なぜなら口呼吸をすると乾燥した空気を口の中に取り込むため、唾液が蒸発してしまうのです。

本来、唾液は細菌を流す役割を担っているため虫歯を予防する上で重要な存在。

その唾液が乾燥すれば細菌は停滞してしまい、口の中は細菌だらけになってしまうでしょう。

それは虫歯になるリスクを高めるのは当然として、さらに歯周病になるリスクも高めます。

噛み合わせの悪さがもたらすその他の悪影響

噛み合わせが悪いと虫歯になるリスクが高まりますが、悪影響はそれだけではなく、次のことが挙げられます。

噛み合わせが悪いと頭痛や肩こりが起こる

噛み合わせが悪いと、噛んだ時に噛む筋肉に悪い影響を与えます。

顎関節から頭の横にかけてつながる側頭筋、首から肩にかけてつながる広頸筋、

これらに悪い影響を与えることで頭痛や肩こりが起こります。

顎関節症の発症と重症化のリスクが高まる

誤解のないよう前置きすると、顎関節は噛み合わせが正常な人でも発症しますし、

発症が原因で噛み合わせが悪くなるケースもあります。

しかし、噛み合わせが悪い人は発症するリスク、さらに重症化するリスクも高まります。

歯周病になりやすい

噛み合わせが悪さは、虫歯だけでなく歯周病になるリスクも高めます。

と言うのも、噛み合わせが悪いと噛んだ時に特定の歯に負担がかかり、

その負担が歯肉にもかかることで歯肉炎…すなわち初期の歯周病が発症しやすいからです。

噛み合わせが悪くなる原因

そもそも、どのようにして噛み合わせは悪くなってしまうのか?…その原因の例を次にまとめてみます。

日常生活の中での癖

日常生活の中でも何気ない癖が、実は噛み合わせが悪くなる原因となるケースもあり、

例えば「頬杖をつく」、「歯を食いしばる」、「うつ伏せで寝る」などが挙げられます。

また、子供の場合は「指しゃぶり」、「舌で歯を押す」などの癖によって噛み合わせが悪くなります。

人工物の高さが合っていない

口の中に入れる人工物と言えば、入れ歯、詰め物、被せ物、ブリッジ、インプラントなどが該当します。

これらの高さが合っていなければ、当然噛み合わせが悪くなるでしょう。

対処としては調整が必要ですが、高さが低すぎる場合は再製作が必要になることもあります。

歯並びが悪い

歯並びが悪い状態で噛み合わせが正常と言うのは考えられず、

つまり、「歯並びが悪い=噛み合わせも悪い」と言えるでしょう。

このため、歯並びが悪い人はその時点で噛み合わせも悪くなっているのです。

まとめ

いかがでしたか?

最後に、噛み合わせの悪さがもたらす悪影響についてまとめます。

1.歯磨きの精度低下:歯並びが悪い場合、歯が磨きづらくなるため歯磨きの精度が落ちる

2.プラークが剥がれない:噛み合わせた衝撃によるプラークの剥がれが起こりにくい

3.口呼吸になる:噛み合わせが悪いと口呼吸になり、唾液が蒸発して細菌が停滞する

4.噛み合わせの悪さがもたらすその他の悪影響:頭痛や肩こり、顎関節症の発症と重症化のリスク向上

5.噛み合わせが悪くなる原因:一例として、日常生活の中での癖、人工物の高さが合っていない

これら5つのことから、噛み合わせの悪さがもたらす悪影響について分かります。

虫歯や歯周病はいくらケアしても発症することがありますし、発症のリスクも人によって差があります。

仮にあなたに虫歯や歯周病が発症しやすい場合、それは単なる偶然ではなく必ず原因があるはずで、

その原因の一つとして考えられるのが噛み合わせの悪さです。