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セラミックをすすめられない人もいますか?

2020年04月01日

西荻窪の善福寺歯科クリニックです。
今回は「セラミックをすすめられないケース」についてお話しします。
治療は、世間の流行だけで決めるべきものではありません。

歯科ではセラミック治療を希望する人が増加傾向にあり、
そのため詰め物や被せ物の素材においてセラミックが人気のイメージになっています。
確かに、セラミックは多くの人におすすめできますが、それでも流行を理由に治療を希望するのは軽率です。

セラミック治療とは

まず、そもそもセラミック治療とは何なのかについて説明しましょう。
セラミック治療とは詰め物や被せ物の素材をセラミックにする治療であり、
既に銀歯を使用している人がセラミックに交換するケースも含まれます。

これまで、詰め物や被せ物の素材は銀歯が主流でした。
しかし銀歯は審美性が低く、それがコンプレックスとなって人前で口を開けられない人もいるほどで、
一方のセラミックは審美性が高く、それがセラミックを希望する人が増えた最大の理由です。

セラミック治療のメリット

セラミックの最大のメリットは審美性の高さです。
最も、セラミックのメリットはそれだけではなく、他にも次のようなメリットが挙げられます。

二次虫歯を予防しやすい

製作過程においてサイズの誤差が生じにくく、またセラミックは歯とピッタリくっつきます。
さらにプラークも付着しにくいことから、セラミックにすると二次虫歯を予防しやすくなります。

長持ちしやすい

あくまでケア次第の話ですが、セラミックは保険診療の銀歯に比べて相対的に長持ちしやすくなっています。
最も、ケアを怠れば劣化は早くなりますし、人工物である以上は永久に使用することは不可能です。

セラミック治療に対する間違った認識

セラミック治療に対しては、間違って認識をしている人も少なくありません。
審美性の高さを含め、確かにセラミックには多くのメリットがあります。
しかし、全てにおいて長けているとは言えず、特に次の認識は間違いなので注意してください。

健康保険適用について

セラミックでも健康保険が適用されるようになったのは事実です。
しかし、被せ物に限られる上に対象となる歯や対応できる歯科医院も限定されています。
また、対象となるのはハイブリッドセラミックですが、従来のハイブリッドセラミックとは異なるものです。

金属アレルギーについて

セラミックの素材は陶器ですから、金属アレルギーの対象にはなりません。
このため、金属アレルギーの人はそれを理由にセラミックにする人がいるのですが、
全てのセラミックがこれに該当するわけではなく、メタルボンドのみ一部金属を使用しています。

セラミック治療をおすすめできない人

メリットの多いセラミックですが、次のことに該当する場合、セラミック治療はおすすめできません。

費用の安さを最優先したい

セラミック治療は基本的に自由診療であり、そのため費用は高くなります。
最も、費用に見合ったメリットがあるのも事実なのですが、
それでも事実費用が高い以上、費用の安さを最優先したい人にはおすすめできません。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある

強度だけで比較すれば、陶器のセラミックよりも金属の銀歯の方が頑丈です。
このため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人にはおすすめできず、
必要以上の力で噛み合わせてしまうとセラミックが割れてしまう可能性があるからです。

セラミックと銀歯以外の選択肢

ここまでの説明でセラミックは合わないと思う人もいるでしょうが、
一方で銀歯にも抵抗がある場合、素材の選択肢はレジンと金歯になります。

レジン

柔軟性のあるプラスチックの素材です。銀歯ほど目立たないものの、
あくまで目立たないだけであって審美性が高いわけではありません。
また、レジンは年数が経過すると変色してしまうため、劣化すると目立ちます。

金歯

選択肢の一つではありますが、ただ現在では金歯を希望する人はあまりいません。
銀歯よりも機能性に長けているものの自由診療であり、やはり目立つことでの審美性の低さは否めず、
どのみち自由診療なら審美性の高いセラミックを希望する人がほとんどです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、セラミックをすすめられないケースについてまとめます。

1. セラミック治療とは :詰め物や被せ物の素材をセラミックにする治療
2. セラミック治療のメリット :審美性が高く、二次虫歯も予防しやすくなり、ケア次第で長持ちしやすい
3. セラミック治療に対する間違った認識 :健康保険適用についての認識、金属アレルギーについての認識
4. セラミック治療をおすすめできない人 :費用の安さを最優先する人、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人
5. セラミックと銀歯以外の選択肢 :レジン、金歯

これら5つのことから、セラミックをすすめられないケースについて分かります。
セラミックは審美性と機能性の高さから費用が高く、その費用が気になる人にはおすすめできません。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人はセラミックが割れてしまうことがあり、
この場合は専用のマウスピースを使うなどして癖や噛み合わせの改善を優先すべきです。