ホーム  »  ブログ  »  セラミックにつけられるハイブリッドやジルコニアはどんな意味があるのですか?

ブログ

セラミックにつけられるハイブリッドやジルコニアはどんな意味があるのですか?

2020年02月01日

西荻窪の善福寺歯科クリニックです。
今回は「セラミックの名称と意味」についてお話しします。
セラミック治療で選択できるセラミックには、ハイブリッドやジルコニアなどの名前がついていますね。

オールセラミック、ハイブリッドセラミック、ジルコニアセラミック、いずれもセラミックの一種であり、他にもメタルボンドと呼ばれるタイプが存在します。
名称が違うということは当然特徴も異なり、そこでそれぞれのセラミックの特徴を解説していきます。

オールセラミック

「オール」の名が示すとおり、100%セラミックでできているタイプです。
実は、セラミックの中でも100%セラミックでできているのはオールセラミックのみであり、そのためオールセラミックは他のセラミックに比べて審美性が高く、また耐久性にも優れています。

つまり、性能を比較すればオールセラミックが最も長けているのですが、一方でその分だけ費用も高く、「審美性も機能性も高いけど費用も高い」がオールセラミックの特徴ですね。
オールセラミックは、予算関係なく最上位のセラミックを希望する人におすすめです。

ハイブリッドセラミック

「ハイブリッド」の名が示すとおり、セラミックと別の素材が混ざったタイプです。
別の素材とはレジンであり、レジンにセラミックの微粒子を練り込んだものがハイブリッドセラミックになります。
ですから、素材のイメージとしてセラミックとレジンの中間と考えると分かりやすいでしょう。

レジンを使用しているため審美性はオールセラミックに劣りますし、年数経過による変色も起こります。
つまり、審美性や機能性を比較するとオールセラミックに劣りますが、その分だけ費用は安く、「お手軽な費用でできるセラミック」がハイブリッドセラミックの特徴です。

メタルボンド

セラミックのワードが一切含まれていませんが、メタルボンドもセラミックの一種です。
構造としては金属のフレームにセラミックが焼き付けてあり、「外見はセラミックで中身は金属」とイメージすると分かりやすいでしょう。

金属のフレームを使用しているため強度に優れているのがメタルボンドの特徴であり、一方で見る角度次第では金属が露出するため、目立たない奥歯に使用するのがおすすめです。
また、注意点を挙げると金属を使用していることから金属アレルギーの対象になります。

ジルコニアセラミック

「ジルコニア」とは人工ダイヤモンドであり、その点から想像できるとおり強度に長けたタイプです。
強度に長けているという特徴からメタルボンドに似ていると思うでしょうが、
ジルコニアセラミックは審美性も機能性もメタルボンドを上回る特徴を持っています。

特に大きな違いがジルコニアセラミックは金属を一切使用していないことで、
金属アレルギーの対象になるメタルボンドと違い、ジルコニアセラミックにその心配はありません。
ですから、イメージとして「メタルボンドの上位モデル」と考えると分かりやすいでしょう。

ハイブリッドセラミック(健康保険)

セラミックは基本的に健康保険が適用されないものの、例外があり、一定の基準を満たしている場合のみ健康保険が適用されます。
ただしハイブリッドセラミックに限定され、またこのハイブリッドセラミックは自由診療のものと異なります。

健康保険適用のハイブリッドセラミックは従来のものに比べて審美性と耐久性が劣っており、つまり自由診療のハイブリッドセラミックがそのまま健康保険適用となるわけではありません。
また、健康保険適用の基準は厳しくなっており、その点は歯科医院で直接確認することをおすすめします。

おすすめのセラミックは

このようにセラミックに種類があることから、気になるのはどのセラミックがおすすめなのかという点ですね。
これについては一概に断言できず、患者さんの要望によっておすすめのセラミックは変わります。
例えば、予算関係なくとことん審美性にこだわるなら、おすすめなのはオールセラミックです。

しかし、費用の安さを重視するなら逆にオールセラミックは最もおすすめできないタイプであり、
その場合は最もお手軽なハイブリッドセラミックをおすすめします。
また、金属アレルギーの人にメタルボンドはおすすめできず、おすすめのセラミックは要望次第で変わります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、セラミックの名称と意味についてまとめます。

1. オールセラミック :100%セラミックでできており、審美性・機能性が高いが費用も高い
2. ハイブリッドセラミック :レジンとセラミックの中間に位置するタイプで、費用が安くてお手軽
3. メタルボンド :金属のフレームにセラミックを焼き付けており、強度は高いが金属アレルギーの対象になる
4. ジルコニアセラミック :人工ダイヤモンドを使用しており、メタルボンド同様に強度が高い
5. ハイブリッドセラミック(健康保険) :従来のハイブリッドセラミックに比べて審美性・耐久性が劣る
6. おすすめのセラミックは :要望によって変わる。例えば費用の安さ最優先ならハイブリッドセラミック

これら6つのことから、セラミックの名称と意味について分かります。
セラミックにはこれだけの種類がありますが、取り扱う種類は歯科医院によって異なります。
特に、ジルコニアセラミックは比較的新しいタイプのため取り扱っていない歯科医院も多く、
そのため希望のセラミックがある場合は来院前に歯科医院に問い合わせてみると良いでしょう。