ホーム  »  ブログ  »  セラミック治療と保険治療の違い

ブログ

セラミック治療と保険治療の違い

2018年01月19日

「桃井第四小前」で下車後、徒歩1分にある西荻窪の善福寺歯科クリニックです。今回は「セラミック治療と保険治療の違い」についてご説明します。

「セラミック治療」と聞くと、白いだけで高額な治療費がかかるというイメージではありませんか?
実は、セラミック治療と保険の銀歯では色や材質、金額以外にも様々な差があります。

虫歯になりにくい

保険治療の銀歯は、使用平均年数が「5〜10年」になります。銀歯は長期的に見た時に、「二次虫歯」になりやすい要素を多く含んだ治療と言えます。銀歯は保険治療にはなりますが、「ベストな治療」と言えるわけではないのです。

・セラミックは汚れがつきにくい
銀歯は製作する上で、目に見えない細かな傷があります。そのため、汚れが付着しやすく、二次虫歯や歯周病が進行しやすい口内環境になってしまいます。

セラミックは表面が滑沢なため、汚れがつきにくく、きちんとセルフケアを行っていれば綺麗な状態を長期的に保つことができます。

・「合着」と「接着」の違いがある
セラミックの被せ物を歯につける際は、「接着」を行っています。セメントが化学的に結合することで、歯と被せ物を「接着」します。

銀歯は、被せ物と歯の間にある凸凹にセメントが入り込んで硬化し、取れないように摩擦力で被せ物がかぶさっているだけで、きちんとくっついているわけではありません。

そのため、セメントは長年使用するにつれ溶け出し、被せ物と歯の間に隙間が生じやすくなります。ガムやお餅等といった粘着性の食べ物で、簡単に銀歯が外れてしまう原因はこのためと言えます。

金属イオンが溶け出さない

熱いものや冷たいもの、酸性の強い飲食等で、金銀パラジウム合金でできた銀歯は、日々の飲食で少しづつ金属イオンが溶け出してしまいます。そのため、お口の中であらゆる反応が起きています。セラミックは金属を使用していないため、下記にある症状を引き起こす心配がありません。

・ガルバニー電流が起きない
銀歯で、アルミ箔や金属を噛んでしまった時に「キーン」となった経験はないでしょうか。実はこの時微弱な電流がお口の中で発生しています。
この「ガルバニー電流」は、体調不良やめまい、頭痛といったあらゆる部分で全身に影響を与えていると考えられています。

・金属アレルギーにならない
セラミックは金属を使用していないため、アレルギーを起こす心配がありません。アレルギーは身体の許容量を超えた時に症状を発症します。今は金属アレルギーでなくても、お口の中に入っている銀歯は毎日の飲食で少しずつ溶け出し、身体の中に入り込んでいます。

・メタルタトゥーにならない
銀歯を長年使用し続けると、銀歯周囲の歯茎や歯の色が黒く色素沈着を起こします。これも金属イオンが流れ出ていることが原因になります。メタルタトゥーは歯科医院で除去処置を行わないとなおすことができません。

・経年劣化がない
銀歯は長年使用し続けると黒く変色してしまいます。オールセラミックはこの心配がなく、定期的なメンテナンスを行えば経年劣化することなく、ずっと白さを保ちながら使用することができます。

治療後の痛みが出にくい

まだ歯の神経が残っている状態で、銀歯をはめると虫歯治療したはずなのに冷たいものや熱いものでしみることがあります。銀歯は天然歯に比べると断然熱伝導しやすいため、少しの刺激で痛みが生じやすくなります。

生体親和性の高いセラミックと違い、銀歯は熱膨張係数も天然歯と違うので、飲食等で生じる温度差で銀歯と歯の間に隙間を生じて、二次虫歯の原因にもなります。

セラミック治療のデメリット

セラミック治療は保険の銀歯治療と比較して、あらゆる点で秀でていると言えます。ですが、セラミック治療にもデメリットはあります。

・割れたり欠けることがある
セラミックは陶材になります。お茶碗などの陶器が欠けたり割れたりするのと同じく、強い衝撃が加わると割れてしまいます。欠けてしまうとまた被せ物を取り外し、一から作り直さなくてはいけないため、歯ぎしりやくいしばりが強い方だと治療する箇所によってはおすすめできないことがあります。

・削る量が増える
割れたり欠けたりするデメリットを少なくするために、セラミックの厚みを出して被せ物を製作します。そのためにご自身の歯の切削量をある程度増やさないといけないため、場合によっては歯の神経を抜く必要性が出てくることもあります。

・治療費が高額
保険治療と比較してしまうとやはり治療費が高額になってしまいます。保険が約3000〜5000円程度で抑えられるのに対して、オールセラミック(大きな被せ物)は180000円程かかってしまいます。

そこには、材料費の他にも腕の良い歯科技工士に製作してもらうための費用がかかっています。歯科技工士は「保険」の技工物を主に担当する方と、「自費」の技工物を主に担当する方に分かれます。自費を中心に担当する技工士は、ベテランの方が担当するため、精密度も審美性にも優れた技工物を製作してくれます。その分、自費の技工物は治療費が高くなってしまいます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、「セラミック治療と保険治療の違い」についてまとめます。

セラミック治療のメリット
・被せ物に汚れがつきにくい
・きちんと歯と被せ物が「接着」している
・金属イオンによる弊害がない
・生体親和性が良いため痛みが生じにくい

セラミック治療のデメリット
・欠けたり割れたりする
・歯の切削量が増える
・費用が高額

セラミック治療は確かに高額な自費治療になりますが、ただ見た目が綺麗な歯になるだけでなく、様々な点で保険の銀歯よりも優れています。身体全体の健康や今後何十年も共に過ごす歯のことを考えると、セラミック治療はとても良い治療だと言えます。